Volkswagen

私は子供の頃から機械や車が大好きで、家に1960年代初頭からあった父親のテープレコーダーや(父が自作したものもありました)オートバイを見たり触ったりするのが毎日の楽しみでした。自動車が家に来たのは1965年頃ですが、当時のエンジン音、排気ガスやオイルの匂いは今も覚えています。休日のドライブはいつも助手席に座り、風景よりは運転動作のほうが面白く、すぐに操作方法を覚えてしまったくらいです。

自分で運転免許を取ったのは大学を卒業した後の1982年でしたが、その1年前に大学のオーケストラの演奏旅行で1ヶ月間ドイツ、オーストリアに行く機会があり、アウトバーンを矢のように疾走するポルシェやBMWなどのドイツ車を見て、いつかはあんな車に乗ってみたいと強く思うようになりました。

免許をとってすぐに車を探し、始めは子供の頃からの憧れだったVWのビートルが欲しくてお店を探し回りましたが、当時はドイツ製のビートルが製造終了してまだ4年ほどしか経っていなく、中古車としてもとても値段が高くて全く手が出ませんでした。そんな状況の中、ビートルの後継車であるゴルフは当時まだ人気が今ほどではなく、初期型は故障も多かったことから、中古市場ではビートルよりも安く売られていました。1983年の1月、50万円で売られていた1976年型のゴルフを見つけ、リスクを覚悟で購入しました。

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いわゆる「ゴルフ1」です。ここから私のVWライフが始まります。この車は車重も1トン以下で、現在のポロよりも小さく、とにかく俊敏でスピードも出ましたが、とにかく故障が多く、1983年から87年3月まで乗りましたが、購入価格と整備費を合わせると新車のゴルフが買えるくらいの出費になってしまいました・・・

1987年3月、満身創痍のゴルフ1は遂に立ち上がれなくなり、初めて新車を購入することになりました。当時ゴルフは日本でも大成功を収め、バブル期直前の日本経済の好調と併せて記録的なセールスを打ち立てます。私が購入したのはゴルフ1でも好評だったディーゼルエンジンを搭載したモデルで、リッター20キロ以上をいつもマークするエコカーでもありました。

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これが「ゴルフ2」です。ゴルフ1に比べて車内も広く、故障は全く起きず、どこにでも安心して出かけられました。仕事で個人移動をするようになったのもこの車からです。エンジン音は大きめでしたが、座り心地はとても快適で、自分の部屋みたいに思うようになりました。この車には1987年4月から1990年3月まで乗りました。

1990年、ゴルフ2が大規模なマイナーチェンジを行います。それまでディーゼルモデルに設定がなかった装備を充実させたモデルが前年のモデルよりも安い値段設定で発売され、ゴルフ2の車検をとらずに乗り換えることにしました。

納車された車は初めての濃色であるガンメタルで、操作が軽くなりさらに快適になります。燃費は少し下がりましたが、軽油が現在よりもかなり安かったので、長距離の移動はとても経済的でした。1992年にはドイツのVW本社が日本への輸出、日本での輸入を自ら日本法人で行うようになり、長年続いていたヤナセによる輸入代理業務と販売、整備が終了します。多少の不具合も生じましたが、相変わらず私はゴルフに乗り続け、このゴルフ2(2代目)は1990年4月から1996年8月まで19万キロも走りました。

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1996年8月、まだ使える状態ではありましたが、ゴルフ3が1993年に発表され、ディーゼルモデルには世界初の触媒が装着され、排気ガスは格段にクリーンになったことから、20万キロを前に買い替えました。この頃からゴルフも高級路線を歩み始め、完成度の高さが際立つようになります。出力を大幅に増したエンジンと快適な操作性、安全性などがとても素晴らしく、2004年5月までの間に26万キロも走りました。

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2004年6月にはゴルフ4を購入、ゴルフ1以来のガソリン車、そして初めてのA/T車に乗ることになります。この車もタフな車で、故障がほとんど出ないまま、2011年4月までの7年間で30万キロを走破します。そして、この時に最初のゴルフ1から累計で100万キロ走行を達成しました。

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ゴルフ4は30万キロまで、と決めていたので、2011年2月にはゴルフ6を契約し、納車を待つことになります。しかし、東日本大震災の影響で納車が遅れ、4月上旬にようやく納められました。

新しいエンジンであるTSIや、新世代のトランスミッションであるDSGなど、最新のメカニズムと抜群の操作性、静粛性はかつてのゴルフ1とは隔世の感があります。私の仕事が前とは変わったため、1年に4万キロ以上も走ることはなくなりましたが、シートに座ったときの快適さは初めてゴルフ1のシートに座ったときと同じです。

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2018年3月にはGolf6を娘にお下がりし、Golf7.5に乗り換えました。大好きなデザイナーであるWalter de Silvaが一からデザインしたとても美しい車です。

 

 

 

 

私の車歴はVWゴルフの歩みそのものという感じですが、最初のモデルと最新のモデルを比べてみても、基本的な考えがしっかりしていて、大変優れた機械だと言えます。デザインは変わったように見えますが、自分と祖父の顔が似ているように、時代を経てもゴルフとすぐにわかる表情を持っています。これからも変わらずにVWに乗っていくと思いますが、エコと安全、快適さが高いレベルであり続けることを願っています。

 

VWはGolfの他に2002年7月から2017年2月まで、Lupoを家族用として使い、その代替えとして2017年2月からPoloを使っています。また、もう一台Polo(9N、2006年式)があり、こちらは2018年3月まで娘が使っていました。