Egger Trumpet

モーツァルト定期のリハーサルも三日目・・・今日は会場を明日の本番会場である山形テルサの大ホールに移し、リハーサル兼レコーディングセッションです。私たち山響のレーベルである「YSO-live」は、その名の通り、ライブ録音なのですが、近年はリハーサルの音源も確保して本番の収録を行う事が国際的にも多くなっています。ライブの雰囲気を残しつつ、編集も行いセッション録音の良さも盛り込むという手法ですね。飯森監督が着任してからはレコーディングの数が大変多くなり、たくさんの CDをリリースすることはオーケストラにとっても良いことですが、今回のモーツァルトに代表される小編成で精緻な音楽を収録するのは苦労する作業です。楽章を通した後でうまくいかなかった部分を返すのですが、高度な集中が要求されます。納得いかないフレーズを幾度も繰り返し、仕上げてゆきます。
今日は時間いっぱい収録し、明日のゲネプロ(ドイツ語で、「総練習」という意味です)と本番も収録し、その後時間をかけてマスター盤を作成します。
レコーディングは大変な仕事で、中でもライブ盤の作成は苦労が多いですが、プレイバックを聴き、指揮者やディレクターのダメだしに耐え、クオリティの高い音楽を創ることは、プロとして持っているアンサンブル能力をさらに高めることに役立つと思います・・・・。

写真の楽器はこれまでモーツァルトやシューマン、ブラームスのドイツレクイエムでも使った(使ってしまった!)スイスのエッガーという製作者の手によるナチュラルトランペットです。管を入れ替えてB♭、 C、D、E♭のキーを演奏することができます。今回はプログラム1曲目の第7交響曲で使用するためにDキーにしてあります。下の管はCキーのパーツです。山響ではフルート、ホルン、トランペット、トロンボーンそしてティンパニも古典楽器を所有していますが、古楽の専門オーケストラ以外でここまで装備しているオーケストラは国際的にも珍しいと言えます。明日はこれらの楽器の響きと共に、視覚的にも楽しんでいただければと思います。

写真