Acting principal・・・・首席奏者が不在の時、同じセクションのメンバーが首席の代理を務める時にこの名称を使います。「Act」は役者の事を「Acter」と呼ぶ事からも解るように、自分が第三者としての役割を担当する事を指す言葉で、英語圏の一般企業でもよく使われます。
今日から山響首席トランペット奏者の井上直樹さんが休暇を取って不在なため、今日の本番(酒田市内の鑑賞教室)と明日のリハーサル、明後日の本番(南陽市民会館)では私が首席に座り、第一トランペットを担当します。以前のブログにも書いたように私は1991年4月から2001年8月頃まで、概ね第一トランペットを担当していて、(当時は金管に首席奏者を置いていませんでした)それ以降現在まで第二奏者を(時々第三パートも)務めています。大編成のオーケストラでは大抵4人のトランペット奏者を雇っているので、ローテーションも可能ですが、山響では二人だけで年間およそ150回の公演をこなします。今回は久しぶりに第一パートを担当しますが、感覚を思い出すのに若干時間がかかりました。また、パートナーがエキストラのために、特に今日はリハーサルなしのぶっつけ本番なので自分の事よりもエキストラの仕事ぶりが心配になったり、とても疲れました。明日からは新しいエキストラ奏者を起用し、ベートーヴェンの5番を演奏します。「運命」と呼ばれるこの曲は、1991年4月、退団した鬼頭伸明さんに替わって私が定期公演で始めて第一パートを担当し、その後2001年に村川先生が引退するまでの間、山響の金管セクションを牽引しつづけるきっかけとなった思い出の曲です。クラシック音楽に親しむ人であれば誰もが知る「運命」は、私にとってもさまざまな思いがある曲です。明日からわずかな間ではありますが、この曲を今の私らしく再創造する事ができれば、と思っています。