・・・リハーサルは午前10時から始まり、12時で終わるというアメリカのオーケストラで良くあるパターンで、マーラーの2番を練習するには時間が足りない感がありましたが、たちまち仕上がってゆき、私は第4トランペットを演奏することになり(奇しくも今回も同じパートです)メンバー達ともすぐに親しくなり、お互いの情報交換や楽器の話、プライベートな事までリハーサルをしながらコミニュケーションを楽しみました。リハーサルは2日間だけで、午後はロッキー山脈の観光や、ショッピングなどで過ごし、演奏に行ったのか遊びに行ったのか・・・という感じでした。初めて見るアメリカはどこまでも広く、ビールや食事も美味しく、特にボールダーは地方都市特有のゆったりとした時の流れを感じさせる美しい街で、全米でも住みたい街の筆頭にあげられるのがよく分かりました。
本番は2日間行われ、会場は満員の聴衆であふれ、コロラド音楽祭管弦楽団と山響が奏でるマーラーが、乾燥してひんやりとした夏の高地に響き渡り、夢のような時間が過ぎてゆきました。今でも「復活」の演奏を聴くと、ヨーロッパではなくアメリカの空気や広いパノラマのような景色が思い出されます。
あれから21年・・・当時のメンバーは私を含め16名ほどしか残っていません。マーラーは1991年の3月定期で1番(村川先生の指揮)、93年12月定期で5番(山下一史さんの指揮、ソロトランペットは私でした)、2005年2月にビュルテンブルグ・フィルハーモニー管弦楽団との合同で1番(飯森さんの指揮)、2007年7月に4番(飯森さんの指揮)を演奏しました。2番「復活」は山響は定期としては初演、仙台フィルハーモニー管弦楽団も初演になります。16日からのリハーサルがどうなるのか、また2つのオーケストラがスムーズにコミニュケーションをとれるのか、不安と楽しみが交差しています・・・