ヨーク市で行われた国際音楽家連盟(FIM)の会議は、音楽家の健康問題を扱った初めてのもので、楽器ごとの障害や演奏環境の問題、健康診断や奏法に関する事など、多岐にわたるものでした。私は講演やプレゼンは行わなかったですが、セッションでは質疑に積極的に加わりました。また、展示ブースではオーケストラピット用の譜面灯や演奏用の椅子、耳を保護するための器具や数々のサポーター、枕や寝具などもあり、どれも体のケアに深く関わるものでした。セッションでは医学博士の講演や発表などもあり、まるで学会のようでした。日本に帰ってからはMUJの機関誌にレポートを書いたり、知り合いの医者に研究をお願いしたりと、この分野で後れを取っている日本のオーケストラ界のために努力しました・・・
3日間の会議終了後は、ロンドンに戻り、1日でしたが観光を楽しみました。大英博物館ではベートーヴェンやバッハ、ハイドンの自筆譜を見たり、一人でパブに行ったりして憧れだったイギリスを満喫しました。食事はいわゆる「フィッシュ&チップス」やラム肉のグリル、ビーフシチューなどが代表的なものですが、朝食のパン、バター、チーズ、そしてやはり紅茶は素晴らしかったです。もちろんギネスやスコッチも・・・
その後、昨年のアムステルダムまで合計5回も海外出張があり、多くの友人や仲間と出会えたのは私のキャリアの中でも特別な事でした。また、普通は絶対旅行しないであろうヨハネスブルグやリオ・デ・ジャネイロに行けたことも素晴らしい思い出です。オリンピックをテレビで観ていると、時々ロンドン市内が写りますが、変わることのない古都ロンドンを見ると、たくさんの思い出がよみがえります。