今日はオーケストラはお休み・・・昨日までの怒濤の数日間は、まさに夢のような日々でした。本当の感動はこれからじわじわと出てくるのかもしれません。気持ちが落ち着いたらもう少し今回の演奏について客観的に書こうと思います。明日からは24日が本番の「海の日記念コンサート」のリハーサルです。今度はマーラーとは正反対の1970年代のポピュラーミュージックを中心としたプログラムで、ソリスト(と言っていいのかな)は歌手の渡辺真知子さんです。マーラーを演奏した後なので、気持ちを切り替えるには良いプログラムかも知れませんね。
月別アーカイブ: 2012年7月
Auferstehungs
昨日の感動的な山形公演に続き、いよいよ仙台公演です。今日は復旧工事が終わった東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)の再開のコンサートでもあり、まさに「復活(Auferstehungs)」です。午後にホールに入るとすでにステージは完璧に出来上がっていて、NHKのテレビチームもカメラやマイクのセッティングに余念がありません。山形市民会館よりはかなり大きな舞台と客席に、115名分の椅子と譜面台がきちんと美しく並べられていて、舞台上には良い意味での緊張感が漂います。ゲネプロではカメラ割りのために必要な部分と、ホールの違いによるアンサンブルの調整を行い、本番に備えます。心配された集客もほぼ満席で、仙台市民の皆さんがこの演奏会に寄せる関心の高さが伝わってきます。本番は昨日にも増して凄いもので、客席には泣きながら演奏を聴いているかたも多く、まさに「被災地」での演奏であることをあらためて強く感じました・・・私自身も演奏しながら感動してしまい、思わず涙しそうになりましたが、音楽に集中しなければと思い、気持ちを強く持ちながら演奏していました。昨日の演奏も素晴らしかったですが、今日は2つのオーケストラにとって、まさに「歴史的名演」といって過言ではないでしょう。これまで近くにいながらも一つになりきれなかったオーケストラが、心を共に音楽を奏でる事がようやく叶い、それが多くの人々を励ます力になる・・・やはり、文化や芸術の力は凄いものだと思います。これからも山響と仙台フィルが時には向き合い、共に音楽を奏でることが求められていると感じましたし、お互いにとって新たな道を拓いてゆくこともこれまで以上に可能になると思いました。共演して下さった仙台フィルの皆さん、そして事務局の素晴らしいスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。そしてこの演奏を聴いて下さった全ての皆様に心から感謝いたします。
#222
初日の本番です。一年がかりで準備してきましたが、あっという間にここまで来た・・・という感じです。今日は山響の第222回定期演奏会として開催されますが、定期の演奏会場が山形テルサに移ってからは、2回公演が基本になり、定期会員も増加したので今回のような山形市民会館での1回公演では(編成上、舞台が広いホールが必要で、山形市民会館が最も舞台面積が広かった)定期会員の出席と一般売りのお客様が多くなった場合、座席が足りなくなる可能性があり、事務局(チケットサービス)では今回の営業に細心の注意を払いながら販売をしていました。明日は仙台フィルの主催公演として行われますが、こちらは定期演奏会ではないので全席販売になり、そのためまだチケットには余裕があります。仙台フィルでも全席販売の特別演奏会はリスクを伴うもので、今回の共演を快く引き受けて下さったものの、山響としても販売が心配になります・・・演奏のことではなく、こういうストーリーが初めに来るあたりが、私の今の立場を示していますね・・・
演奏は大変素晴らしいもので、第1楽章冒頭から集中力の高い凝縮された音楽がホールを満たします。16日のリハーサル初日は若干不揃いな部分もありましたが、いつしかオーケストラの違いはなくなり、同じ音楽家として心を一つにできた演奏でした。バンダ(舞台外)も見事な演奏でしたし、超難易度の高いバンダとオケのフルートとピッコロの絡みも完璧に決まり(本当にブラボーでした)合唱も明確な発音と劇的な表現でオーケストラと共に音楽の核心に迫る演奏を展開し、満場の聴衆から万雷の拍手を受けることが出来ました。今日の模様は山形放送のドキュメンタリー番組として放送されるほか、全ての演奏が日経チャンネルで7月24日からUstream配信されます。より多くの人々にこの感動を共有していただきたいと思います。明日は仙台での演奏・・・山響と仙台フィルだけでなく、すべての人々にとって大きな意味を持つ演奏会になるでしょう。
Banda
Mute
Stuff
Boulder 1991
・・・リハーサルは午前10時から始まり、12時で終わるというアメリカのオーケストラで良くあるパターンで、マーラーの2番を練習するには時間が足りない感がありましたが、たちまち仕上がってゆき、私は第4トランペットを演奏することになり(奇しくも今回も同じパートです)メンバー達ともすぐに親しくなり、お互いの情報交換や楽器の話、プライベートな事までリハーサルをしながらコミニュケーションを楽しみました。リハーサルは2日間だけで、午後はロッキー山脈の観光や、ショッピングなどで過ごし、演奏に行ったのか遊びに行ったのか・・・という感じでした。初めて見るアメリカはどこまでも広く、ビールや食事も美味しく、特にボールダーは地方都市特有のゆったりとした時の流れを感じさせる美しい街で、全米でも住みたい街の筆頭にあげられるのがよく分かりました。
本番は2日間行われ、会場は満員の聴衆であふれ、コロラド音楽祭管弦楽団と山響が奏でるマーラーが、乾燥してひんやりとした夏の高地に響き渡り、夢のような時間が過ぎてゆきました。今でも「復活」の演奏を聴くと、ヨーロッパではなくアメリカの空気や広いパノラマのような景色が思い出されます。
あれから21年・・・当時のメンバーは私を含め16名ほどしか残っていません。マーラーは1991年の3月定期で1番(村川先生の指揮)、93年12月定期で5番(山下一史さんの指揮、ソロトランペットは私でした)、2005年2月にビュルテンブルグ・フィルハーモニー管弦楽団との合同で1番(飯森さんの指揮)、2007年7月に4番(飯森さんの指揮)を演奏しました。2番「復活」は山響は定期としては初演、仙台フィルハーモニー管弦楽団も初演になります。16日からのリハーサルがどうなるのか、また2つのオーケストラがスムーズにコミニュケーションをとれるのか、不安と楽しみが交差しています・・・
Mahler
16日からリハーサルが始まる山響・仙台フィル合同演奏会(第222回山響定期・仙台フィル特別演奏会)で演奏するマーラー作曲の交響曲第2番「復活」は、大規模な編成と構成のため、それぞれ単独では演奏するのが難しかったのですが、今回は仙台フィルのご厚意で長年の念願であった合同演奏が実現し、それぞれのオーケストラにとって新たな展開を迎えることになると思います・・・
1991年7月、山形県とアメリカ・コロラド州の姉妹県州締結5周年を記念して山形から文化施設がコロラド州の首都、デンバー市やマラソンの高地トレーニングで有名になったボールダー市を訪問しました。山響もその文化施設派遣団の一つとして同行し、アスペン音楽祭と並ぶコロラド州の音楽祭である「コロラド音楽祭」に出演し、その祝祭管弦楽団との合同演奏会で演奏したのがマーラーの第2番でした。当時はインターネットや携帯もなく、オーケストラや音楽祭そのものの規模もまったくわからず、どのパートを担当するのかも現地で指示される、とのことで、私は全部のパート譜を練習して備えた記憶があります。7月22日、まだ山形新幹線もない頃で、仙山線で仙台に行き、東北新幹線と開通して間もない成田エクスプレスで空港に着き、空路シアトルを目指し、国内線でデンバーにつき、バスでボールダー市にようやく着き、プロオケの旅行としては今では考えられませんが、初日の宿泊は交流と称しての「ホームステイ」でした。時差でボケボケの翌日、ボールダー市内の「チャタクワ・オーディトリアム」でリハーサルが始まりました。コロラド音楽祭は毎年6月から8月までボールダー市を中心に多くの演奏会が行われ、祝祭オーケストラは若手のプロ奏者や音大生を中心に、要所をメジャーオケのベテランが固めている実力の高いオーケストラでした。例えばオーボエの首席にはフィラデルフィア管弦楽団准首席(今も)のピーター・スミスさん、チェロ首席にはミネソタ交響楽団の首席、トランペットはスイスロマンド管弦楽団首席でアメリカ人のデニス・フェリー(今はリタイアしました)・・・みんなでびっくりしたことが思い出されます・・・(つづく)
Preparations
今日のスクールコンサートで一学期に予定されていた公演は全て終了です。次回は8月末から始まりますが、今日も蒸し暑い中、みんながんばって演奏していました。素晴らしい!
終演後は午前中ギリギリの時間に主治医のクリニックに滑り込み、簡単な診察と処方箋をいただき、FM山形に寄り、遅いランチを食べて14時に事務局に出て、来週の合同コンサートの準備(Preparations)と確認、スタッフミーティングなど事務作業を19時まで行い閉店。20時からは市内の公民館で15日が地区大会の吹奏楽コンクールにむけた山形吹奏楽研究会とのリハーサルでした・・・
19日の山形公演は今日で販売停止、つまりソールドアウトです。僅かに当日券が出る可能性がありますが、事実上の完売で、スタッフ一同一安心です。仙台フィルのスタッフとも電話やメールで連絡を取り、最終的な確認を取り、ほぼ準備が整いました。あとはリハーサルが始まってから調整などが必要になりますが、きっと上手くいくでしょう。明日はオフで事務局も休みなので練習に集中できます。何ヶ月も準備してきましたが、本当にあっという間でした。リハーサルを迎えるのが本当に楽しみです!
Tsuruoka
今週はスクールコンサートが3ステージです。今日は鶴岡市湯田川で公演でした。暑い中の演奏は大変ですが、元気いっぱいの子供達に圧倒されそうになります・・・長く演奏活動をしていると、特にスクールコンサートの場合、知り合いの先生が転勤などで遠くに行ったり、教頭先生や校長先生になっているような事が良くあります。昨日の公演で校歌の指揮をした校長先生は昔、とてもお世話になった先生で、この学校に赴任されていることを私は知らなかったので、とても驚いたとともに、以前から生徒指導に素晴らしい力を発揮されていたので、凛として生徒に接する校長先生としての姿を見ることができてとても嬉しくなりました・・・