Cool biz

今回の山響定期では、初の試みとして燕尾服を着ないで黒シャツで演奏することになりました。これは山形の夏があまりに暑いため、コンサートホールといえどもステージ上で演奏に集中できない事が多いために、採用されたものです。リハーサルでは普段着なのでTシャツやハーフパンツなど、涼しい服装で演奏していますが、正装だとスタンドカラーのシャツ、蝶ネクタイ、ベスト、そしてテールコート(燕尾服のジャケットの事です)と、重装備なみの重ね着になり、特にこの時期は演奏どころではありません・・・サマーウールの燕尾服もありますが、何着も持つようなものではありませんし(買えません)、盛夏の間だけでも何とかしたいと思っていました。コンサートで黒シャツを着ることは、世界中のオーケストラで少しずつ行われ始めています。ミュージカルやオペラなどでも、オーケストラピット内で白い色が目に付かないように黒ずくめで演奏する事もあります。個人的な意見ですが、私はきちんとしたタキシードがあれば燕尾服は指揮者だけで良いと思っています。また、燕尾服はいわゆる「夜の正装」なので、山響が行っている16時からのコンサートに燕尾服を着るのは本来はドレスコードに反することです。タキシードは夜の略礼装、昼の正装はモーニング、略礼装はディレクタースーツ(黒いダブルのジャケットに縞ズボン)が本来のルールです。ホテルマンが朝からタキシードを着てるのも変ですね・・・

そもそも「演奏」にフォーマルウェアのドレスコードをどこまで適用するかは、さまざまな解釈があると思いますが、7月、8月のコンサートでは軽装で演奏する事があっても良いと私は思います。