アフィニス音楽祭のフィナーレを飾る合同オーケストラ公演が終了し、今年のAMFはすべて終了しました。
今年はブラームスの交響曲第4番と、モーツァルトの協奏交響曲を2日間にわたりじっくりとリハーサルし、講師陣と受講生、そして山響が共に奏でる響きは晩年のブラームスを具現化するような素晴らしい音楽になっていました。音楽監督の四方恭子さん(東京都交響楽団ソロ・コンサートマスター)が第1ヴァイオリンの2プルト(前から2番目の列の事です)で演奏していたり、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団コンサートマスターのヘンリック・ホッホシルトさんが第2ヴァイオリンの首席を務めるなど(普通はあり得ません)豪華なシフトで、その中を若手の奏者が演奏するという、まさに実践的な経験を積むことができるチャンスです。また、オーボエ(オタワ・ナショナルアーツセンター管弦楽団首席のチャールズ・ハーマンさん)バスーン(ロサンゼルス・フィルハーモニック首席のホイットニー・クロケットさん)の講師が北米系の奏者だったので、私が大好きなアメリカンスタイルのダブルリードのサウンドが聴けたのが大きな喜びでした。
ブラームスの4番は私が山響に入り、初めて村川千秋さんの指揮で演奏した曲です。その後再び村川さん、黒岩英臣さん、金 聖響さんと演奏してきましたが、どれも個性的な熱演で、意外にあっさり流れる村川さん、重厚でカンタービレが美しかった黒岩さん、クリーンなサウンドを作った金さんと、それぞれの音楽が記憶に残っています。来年3月末までにブラームスの交響曲を演奏する予定は現時点ではないので、私にとって今日の演奏でブラームスは卒業になります。ベテランと若手が作り出す新鮮な音楽、そこから生まれる新しいサウンド・・・将来の山響の進むべき姿が今日の演奏の中に少し見えたような気がしました。