昨日の第1ラウンドでは2名が合格し、今日は音楽監督以下全ての楽員が審査に加わる第2ラウンドです。かなり以前にも書きましたが、プロオーケストラの場合は、採用するミュージシャンを楽団員が決定する事が、どの職種と比べても特徴的です。(オーケストラに「人事部」があって、毎日の仕事の評価とかをシビアにしていたら怖いですね・・・)多くのオーケストラがそうであるように、応募者に対して協奏曲を演奏させ、オーケストラのスタンダードなレパートリーを中心に、重要な箇所を抜粋して数曲演奏させます。今回の場合は、ハイドンのトランペット協奏曲全楽章(演奏箇所は当日指定)を山響が用意したピアニストとリハーサルなしで演奏し、すぐにオーケストラ曲の演奏をするように設定しました。(募集要項で公開していました)オーケストラ曲は古典から現代まで一通りのものを多く出題したので、日本の他のオーケストラよりも難易度はとても高かったと思います。また、昨日の第1ラウンドでは、協奏曲ではなくてフランスの作曲家トマジのエチュードを出題したので、より難易度が髙いものでした。今日は2人の奏者に約1時間かけて演奏していただき、あらゆる観点から観察し、全員による投票で1名の合格者を確定することができました。これからは11月から半年間「試用期間」と呼ばれる仮採用の時期に入り、演奏現場での対応性や人間性などが全員により審査され、半年後にもう一度全員による投票を行い、過半数の得票を得ることでようやく正式採用となります。プロオケに就職することは本当に難しいですが、オーディションの機会を目指して練習に励んでいる世界中のミュージシャンにさらなる幸運が訪れるよう、願ってやみません。