これはイタリア語でトランペットの事です。音楽で使われる用語はイタリア語がほとんどで、その大半は日常の会話に入り込んでいます。例えば、憂鬱な気分で何もやる気が起きない時は「今日はペザンテだ…」とか、女の子が髪を結うことを「レガートする」というように、普通に使われている語法を考えれば、音楽を表現するための助けになると思います。
そんなふうに、いつもは忙しくて思い出せない事も、このリハーサルでは記憶が脳の奥底から戻ってくるかのように浮かんできます。それは…出番がなくってオヤスミだからですよ。弦楽器のみんなには恨まれていますが、オーケストラは何百年も前からそういうものです。出番の数に応じた給料を払うように、という意見もありますが、それでは日雇い労働者と同じです。まあ、私のサイトでは「炎上」になるような議論はNGですが、基本的に交代勤務が成り立ちにくい状況では、仕事の出番にある程度の差が出てくる事は避けられないですね…
話がそれましたが、モーツァルトはトランペットをあまり好きではなかった、と伝えられています。今回のプログラムはどれも清楚かつ繊細で、空間に拡がる響きはとても美しいと思います。