Maestro

リハーサルが始まりました。やはり、良い響きがしますね・・・。ベートーヴェンの5番はいろいろな指揮者で数えきれないほど演奏しましたが、何度演奏しても奥深いというか、内容のとても濃い音楽です。村川氏は第1楽章冒頭の4つの音を何度も繰り返し、自分のイメージをオーケストラに示します。さすがに山響は反応が早く、リハーサル開始からわずか数分で「村川千秋の世界」が出現しました・・・それは、私たち山響の深層に刻まれ続け、長い間の眠りから覚めたような響きと言い表せるような・・・しかし、昔のような「何が何でも突き進む」という感じではなく、推進力を持ちながらも自然体で豊かな響きになっています。長い間の時の流れが、指揮者とオーケストラの音楽に対する気持ちをより自然なものにさせたのかも知れません。村川氏は、昨日のリハーサルが始まる前に、今回の演奏会が自身のファイナルだと述べましたが、長い時をかけて到達した芸術家としての境地がこれからも続く事を願わずにはいられません。

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