昨年3月の胆石の診断からおよそ一年あまり、ここ数年多忙を極めていた私は、演奏、指導、ユニオン活動と全国(世界中、ですね)を飛び回っていました。でも長い間健康に気を遣わなかったわけではなく、今から10年前の2000年秋には、肥大化した体の引き締めにかかり、本格的なダイエットを開始しました。1984年、山響に入団した時点での体重は67キロ〜69キロ付近で、178センチの身長に対してはほぼ標準体重でした。30歳を過ぎた辺りから少しづつ太り始め、40歳になった1999年には最大84キロまで体重が増え、さすがに楽器を演奏するのがキツくなってきました。この頃の服のサイズは、スーツがB体(肥満体です・・・)シャツやカットソーは当然LL、デニムやチノパンのウエストは35インチまでになっていました。
体重の増加は、人それぞれに要因が異なり、白米に代表される炭水化物を多量に摂取する人、お菓子を多食して糖分過多となる人、そしてアルコールと脂肪(揚物など)を好む人など、太ってゆく原因がいろいろあります。痩せるためには自分の食生活をよく分析し、過剰な要因を排除することを行わなければなりません。私の場合は、やはりアルコールと脂肪の過剰摂取でした。アルコールは体内で糖分に変わり、その後脂肪となって内臓周りや肝臓に入り込んできます。当時はビールを大ジョッキで何倍も飲み、ウイスキーをストレートやロックでがんがん飲んでいましたし、締めにいわゆる「ラーメン終止」をしたりしていました。体に良い訳ないですよね・・・・・。
2000年秋、主治医のすすめでCTスキャンを受けてみたら、内蔵に脂肪が貯まっていて、深呼吸をしても肺が下部に下がらず、逆に脂肪が肺を上部に押し上げているような状況でした。これではまともなブレスコントロールは出来ません。また、肝臓や腎臓は老廃物の濾過という本来の解毒工場としての働きをする以前にアルコールと脂肪の分解に追われる毎日で、当然解毒能力が落ちたことで疲労感が積み重なるようになりました。CTの画像を観た時に「このままでは60歳まで(演奏が)持たないかもしれない」と強い不安感に襲われたことを思い出します。
2000年11月、長い独身生活に終止符を打ち、ついに結婚した同僚の結婚パーティーが、文翔館2階のカフェを借り切って行われました。この翌日から徹底的なダイエット(そんなカッコいいものではなく、まさに「減量」)を開始し、毎日1200キロカロリー以下に食事を制限すること、お酒と脂肪は当面禁止という2つを柱として、徹底した毎日を送りました。朝食はオートミールをスキムミルクで溶いたものと全粒紛パン、バターやマーガリンは禁止、オリーブオイルを塗って食べ、昼食は炭水化物(そば、パスタなど)を少なめに食べ、夕食を一日のうちで最も軽くし、炭水化物は摂らずにゆでた野菜と
スープ程度にし、毎日水分をたくさん摂ることに注意しました。そのような生活を一ヶ月ほど続けると、84キロの体重が76キロにたちまち落ちてゆきました・・・(つづく)