山形市から国道13号線を30キロほど南下すると、米沢市の一つ前に南陽市があります。ここは葡萄やワイン、赤湯温泉などが有名な穏やかな雰囲気を持つ街です。今日はその南陽市にある南陽高校の創立20周年記念式典でコンサートを行ってきました。
南陽高校は今から20年前に、当時の宮内高校と赤湯園芸高校が合併し、新設高校として創立されましたが、私個人にとって大変思い出の深い学校でもあります。
1983年、山形での音楽生活をスタートさせた私が初めて吹奏楽の指導に行った学校が、当時の宮内高校でした。この年、山形北高音楽科の教諭として長く指導に当たられた川部浩子先生が宮内高校に転勤になり、声楽が専門だった先生は吹奏楽の指導に初めて取り組むにあたり、私にトレーナーを依頼されました。当時私は24歳で、今から考えると経験も多くはない若者を良く信頼してくれたものだと思います。それから毎週宮内に通い、専門の金管だけでなく、木管や打楽器の指導も行い、また合奏指導も任されるようになっていきます。そうした日々が続き、7月頃だったと思いますが、川部先生が校内行事で負傷され、入院してしまいます。すぐに病室にお見舞いに行くと、先生は私に数週間後に迫った吹奏楽コンクールや、9月の定期演奏会などを全て指揮してほしいと話され、私も迷ったものの引き受ける他ないと判断し、スケジュールを調整し顧問代理として可能な限り学校に通う事になります。今ではこんな事を引き受けるのは不可能ですが、当時はそれ程忙しくなかった事と、校長先生を始め多くの先生方や保護者のご協力も大きな力となり、生徒たちと厳しくも楽しい練習の日々を過ごす事になります…(つづく)
写真:南陽市の花であるバラです。