昨日の感動的な山形公演に続き、いよいよ仙台公演です。今日は復旧工事が終わった東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)の再開のコンサートでもあり、まさに「復活(Auferstehungs)」です。午後にホールに入るとすでにステージは完璧に出来上がっていて、NHKのテレビチームもカメラやマイクのセッティングに余念がありません。山形市民会館よりはかなり大きな舞台と客席に、115名分の椅子と譜面台がきちんと美しく並べられていて、舞台上には良い意味での緊張感が漂います。ゲネプロではカメラ割りのために必要な部分と、ホールの違いによるアンサンブルの調整を行い、本番に備えます。心配された集客もほぼ満席で、仙台市民の皆さんがこの演奏会に寄せる関心の高さが伝わってきます。本番は昨日にも増して凄いもので、客席には泣きながら演奏を聴いているかたも多く、まさに「被災地」での演奏であることをあらためて強く感じました・・・私自身も演奏しながら感動してしまい、思わず涙しそうになりましたが、音楽に集中しなければと思い、気持ちを強く持ちながら演奏していました。昨日の演奏も素晴らしかったですが、今日は2つのオーケストラにとって、まさに「歴史的名演」といって過言ではないでしょう。これまで近くにいながらも一つになりきれなかったオーケストラが、心を共に音楽を奏でる事がようやく叶い、それが多くの人々を励ます力になる・・・やはり、文化や芸術の力は凄いものだと思います。これからも山響と仙台フィルが時には向き合い、共に音楽を奏でることが求められていると感じましたし、お互いにとって新たな道を拓いてゆくこともこれまで以上に可能になると思いました。共演して下さった仙台フィルの皆さん、そして事務局の素晴らしいスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。そしてこの演奏を聴いて下さった全ての皆様に心から感謝いたします。
今回、合唱団の一員として参加させていただくことができ、本当に幸せでした。
合唱団の入場は4楽章からでしたが、マエストロ、オーケストラ、そして客席の心が既に1つになっていることが感じられ、合唱が入るまでの間、感動の中でやはり涙をこらえながら聴き入っていました。
合唱では、歌詞の意味を噛みしめ、祈りを込めて歌いました。失われたものがそのままの形で甦ることはないと思いますが、それでも大切な物の「復活」と、被災した地域「復興」を信じ、心から歌い(叫び)ました。
音楽には、人々の心に働きかけ、慰めたり希望を与えたりする力かあることを、強く強く感じます。
本当に素晴らしいコンサートに参加させていただき、心から感謝しています。