スポーツの世界では、「ベスト4」とか「ベストナイン(野球など)」という言い方をよく使います。でもこれはいわゆる和製英語ではないでしょうか。昔は歌番組で「ザ・ベストテン」とかありましたが・・・本来ならば「トップ4」とか「トップテン」というのが正しいのではと思いますが。野球の場合はシーズンオフにリーグごとに各ポジションの代表選手を選びますが、それは日本の場合「ベストナイン」と呼ばれています。しかし、アメリカでは「オールスター」と呼ばれています。音楽の世界でも、例えばポピュラー音楽の代表誌であるビルボード誌では、「ベストテン」ではなく、「トップテン」と呼びます。まあ、長い間の習慣ですから、何から何まで和製英語がダメとは言えませんが、「ベスト4」はそろそろ「トップ4」と言っても良いのでは、と思っているこの頃です。
Summer vacation
文翔館中庭のコンサートが終わって、次の仕事は8月7日から始まるリハーサルです。このリハーサルは10,11日(テルサ)12日(鶴岡)が本番の山響第223回定期演奏会のためのリハーサルです。山響は7月24日の「海の日」コンサートが終わってからオーケストラとしては8月7日のリハーサル初日まで2週間の夏休みで、それぞれ休養して気持ちも新たに戻ってくるはずです(金管セクションだけ8月2日にコンサートがあったので、「登校日」的な、どことなく損をしたような感覚でした)今回の定期は、昨年3月11日、12日に予定されていて、東日本大震災で中止を余儀なくされた演奏会と同じプログラム(協奏曲は違いますが)で、指揮も同じイジー・シュトルンツさんです。シュトルンツさんは明日山形に入るとのことで、盛夏の山形と花笠祭りを初めて目にすることになると思いますが、チェコ人である彼がこの光景をどのように感じるか、とても興味がありますね!
tradition
ロンドンオリンピックも連日の日本選手の活躍と、世界のアスリート達が感動的なシーンを展開してくれています。素晴らしいですね!
日本選手の活躍は、大会前の予想と異なる結果も出ていて、特に柔道の男子に金メダルがないことが懸念されています。柔道がオリンピック種目に採用されたのは、1964年の東京大会からと思いますが、柔道はそれ以前から世界中に広まりつつあり、日本文化を代表するものの一つとして親しまれてきました。以来、いわゆる「お家芸」としてオリンピックの度に時代をリードする選手が出てきました。しかし近年は特に重量級のカテゴリーにおいて、日本選手を上回る力を持った選手がしばしば優勝するほか、国際的なレヴェルも高くなり、運動能力に長ける外国人選手の躍進が目立つようになりました。今回のロンドン大会でも、日本以外の選手が金メダルを数多く取っていて、私はそれ自体は素晴らしい事と思っています。しかし、一部の論調には外国の柔道をさして「あのような姿勢は伝統的な柔道ではない」とか、「柔の道を理解していない」という意見がありますが、スポーツの国際化に伴い、さまざまな方法論や考えが出てくるのは避けられません。例えば日本でも長い歴史を持つベースボールは正岡子規によって「野球」と命名され、競技に対する考え方の根底には日本的な思考がきわめて強く反映されています。ちなみにバレーボールやバスケットボールを始め、数多くあるスポーツの中で、呼び方が日本語に変わっているものはほとんどありません。多くの方はもうその違いを意識することはないのかも知れませんが、やはりベールボールと野球はかなり異なるものであると私は考えています。しかし、アメリカ人は日本がWBCで優勝しても「あんなのはベースボールではない」とは言いませんし、国やチームが違えば考え方が異なるのは当然だと考えているように見えます。
「伝統」を守るのはもちろん大切な事だと思いますが、時に日本人はあまりに「唯一」という考えに固執する事がありすぎると私は思っています。クラシック音楽の世界でも、かつてはドイツのオーケストラ以外はオーケストラではない、という発言をする方も多かったですし、いまでもそうかも知れません。では、日本人以外が握った寿司は寿司と言わないのか?また、フランス人以外がフランス料理を作ってはいけないのか?・・・
もし、日本が「柔道」というものにこれからもこだわり続けるのであれば、国際化や周りの動向に右往左往するのでなく、柔道本来の「道」を再発見するしかないでしょう。「伝統」という発想に縛られず、しかし本来のあり方に立ち返り、そこから新しいものを見つける時に「新たな伝統」が生まれるのではないでしょうか。
Brass
文翔館中庭コンサート、たくさんのお客様にお越しいただきました!良い演奏だったと思いますが、とにかく暑かった…今日はこの夏最高の37度超え…あと一ヶ月後に演奏したかったです「お月見コンサート」とか、どうでしょうか?
August
8月になりました・・・暑さは留まるどころか毎日成長してゆくようで、どこまで行くのか・・・
今月最初の本番は、明日の19時から文翔館中庭で行われる金管アンサンブルのコンサートです。今日は10時から15時30分までがっちりリハーサルをしました。いつもはたいてい五重奏ですが、明日は編成を増強して八重奏(トランペット3、ホルン1、トロンボーン3、チューバ1)で演奏します。曲目はヘンデルの「王宮の花火の音楽」などのクラシックや、ピアソラのタンゴを始めポップスもたくさん演奏します。明日の夜も暑いと思いますが、文翔館の中庭は音がとてもよく響き、建物のヴィジュアル的な雰囲気と相まってとても良いコンサートになると思います。飲み物持参でぜひお越し下さい!
Heat wave
凄い暑さです・・・山形市は今日も猛暑日で、36度を超えました・・・昨日は山形中央高校の生徒が部活中に熱中症で倒れ、入院先の病院で帰らぬ人となってしまいました・・・痛ましい事です。
今が最も暑い時期なのでしょうが、もう少し気温が下がらないものでしょうか・・・省エネもわかりますが、体調を崩してしまってはどうにもなりません。明日はリハーサル、明後日は文翔館中庭での金管コンサートですが、夜の開催とは言え、体調やコンディションの事が不安で、どうも気が進みません。これまでにも何度か文翔館でコンサートがありましたが、とても演奏するのが辛かった記憶があります。聴きに来て下さる方も、ぜひ水分を確保して来て下さい。演奏中に飲んでいただいても構いません。もし、雨が降ったら議場ホールで演奏します(雨、降らないかなあ・・・)すみません、愚痴っぽくて。
on studio
Contest
今日は吹奏楽コンクール山形県大会の第3日目で、今年から指揮をすることになった山形吹奏楽研究会を率いて本番に臨みました。連日の猛暑が続く山形は、この日も35度を記録し、会場の山形県民会館は冷房が追いつかずサウナ状態です・・・山形吹奏楽研究会は長く山形市で活動している団体で、暖かみのあるサウンドとよく歌う音楽性が特徴です。一般バンドはリハーサルの回数や参加人数にどうしても制約が伴いますが、そんな中でも一生懸命音楽をする姿はとても素晴らしいものがあります。本番ではリハーサルよりも数段良い演奏で、私も納得できる仕上がりでしたが、残念ながら評価は今ひとつでした・・・でも、審査を受けるためだけに演奏しているのではないし、リハーサルより良い演奏ができたのだから良かったんです。打ち上げではメンバーみんなと楽しく飲み(飲み過ぎでした・・・)充実した1日を過ごすことが出来ました。山形吹奏楽研究会の皆さん、ブラボーでした!
York 1997
ヨーク市で行われた国際音楽家連盟(FIM)の会議は、音楽家の健康問題を扱った初めてのもので、楽器ごとの障害や演奏環境の問題、健康診断や奏法に関する事など、多岐にわたるものでした。私は講演やプレゼンは行わなかったですが、セッションでは質疑に積極的に加わりました。また、展示ブースではオーケストラピット用の譜面灯や演奏用の椅子、耳を保護するための器具や数々のサポーター、枕や寝具などもあり、どれも体のケアに深く関わるものでした。セッションでは医学博士の講演や発表などもあり、まるで学会のようでした。日本に帰ってからはMUJの機関誌にレポートを書いたり、知り合いの医者に研究をお願いしたりと、この分野で後れを取っている日本のオーケストラ界のために努力しました・・・
3日間の会議終了後は、ロンドンに戻り、1日でしたが観光を楽しみました。大英博物館ではベートーヴェンやバッハ、ハイドンの自筆譜を見たり、一人でパブに行ったりして憧れだったイギリスを満喫しました。食事はいわゆる「フィッシュ&チップス」やラム肉のグリル、ビーフシチューなどが代表的なものですが、朝食のパン、バター、チーズ、そしてやはり紅茶は素晴らしかったです。もちろんギネスやスコッチも・・・
その後、昨年のアムステルダムまで合計5回も海外出張があり、多くの友人や仲間と出会えたのは私のキャリアの中でも特別な事でした。また、普通は絶対旅行しないであろうヨハネスブルグやリオ・デ・ジャネイロに行けたことも素晴らしい思い出です。オリンピックをテレビで観ていると、時々ロンドン市内が写りますが、変わることのない古都ロンドンを見ると、たくさんの思い出がよみがえります。
London 2012
前回の北京からもう4年…月日が経つのは本当に早いような気がします。ロンドンオリンピックはもう開幕寸前です…オリンピックの記憶は…1964年の東京大会ですね。私は5歳で、家ではテレビを購入した頃でしょうかね。開会式の最後の方で航空自衛隊が飛行機雲で五輪のマークを描いたのを覚えています。東京大会の開会式は10月10日で、近年行われている大会よりもかなり遅いですが、今回のロンドン大会と同じような気候かもしれません。ちなみに「体育の日」というのは、この東京大会の開会日を記念しての祝日だという事は、ご存知ですよね。
1997年3月、前年にオーケストラ協議会の役員になったばかりの私は、イギリスのヨーク市で開催される国際音楽家連盟(FIM)の会議に出席するために単身ロンドンのヒースロー空港に降り立ちました。ヨーク市はロンドンの北およそ400キロにあり、日本の新幹線によく似た特急で4時間ほどかかりました。ヒースロー空港はロンドン中心部に地下鉄が直結していて(ロンドン駅、というのはありません)わずか25分程度で市内最大の駅であるキングスクロス駅に着きます。それからヨークに着いたのは22時過ぎだったと思いますが、今考えると良く一人でたどり着いたものだと思います。でも、成田からの空路の間も会議のおさらいなど早々に済ませ、ビールとウィスキーを楽しみ、初めて行くイギリスでの旅(仕事、ですよね)にワクワクしていました。ヨークに電車が着き、そこからはホテルからファクスされた地図を頼りに(今ならGPSですよね)歩きますが、迷ってしまい一時間もウロウロしてしまい、結局タクシーを拾いようやくホテルに着きました。ホテルではFIMのスタッフや先に到着していた松本伸二さん(当時、MUJ事務局長で、6月末まで仙台フィルの演奏事業部長でした…)が、私が到着しないのを心配してくれていましたが、着いてからは初対面の海外組とも朝まで飲みまくり、楽しいお仕事の始まりでした…