Passing of the rainy season

東北地方も梅雨が明け、本格的な夏がやってきました。先月の「さくらんぼコンサート」東京、大阪公演から今日まであっというまに過ぎたような気がします・・・今年最大の大仕事だった山響・仙台フィル合同演奏会も成功に終わり、エネルギーが空っぽになったような感覚があります。オーケストラは8月7日から始まる第223回定期のリハーサルまでお休みで(金管セクションは8月2日に文翔館中庭で演奏会があります)それぞれに休養に入ったり帰省するものなど、さまざまに休暇を過ごします。私は事務局に出ていますが・・・事務局が入っている山形県緑町会館は、省エネのために冷房の温度と時間が厳格になっていて、湿度も高いためにデスクワークをしていてもさすがに集中力が落ちます。暑さはあと一ヶ月ほどなのでしょうが、ここからが本格的な猛暑ですよね・・・お仕事がんばります・・・

Lecture

私たちオーケストラ奏者は、ステージで演奏を行うほかに生徒のレッスンをしたり、アマチュアの音楽団体の指導やワークショップ、あるいは指揮活動など日常の経験を生かしてさまざまな活動をしています。今日はJE東日本が企画する「おとなの休日倶楽部」の講演会があり、今年度は山響のモーツァルト定期に関連して音楽や楽器の変遷について3回の講演が企画されていて、その第1回目として山響首席ヴィオラ奏者の成田 寛さんが講師として大変中身の充実した講演を行いました。彼はオリジナル楽器と奏法の専門家で、オーケストラ・リベラ・クラシカを初めとするオリジナル楽器の演奏団体で活躍するほか、鈴木秀美さんと室内楽でも重要な演奏活動をしています。今回は楽器や弓を数種類デモンストレーションしたり、18世紀や19世紀の時代背景も含めながら貴重な話を聞くことができました。私も金管楽器の部分でナチュラルトランペットとモダントランペットの比較や説明、実演をして成田さんをアシストしました。会場の山形市民会館小ホールに集まった多くの皆さんにとって、とてもわかりやすい説明で充実した時間だったのではないでしょうか。このような企画がもっと広範に行われると、演奏会への関心がもっと高まりそうですね。

Vocalist

今年の「海の日」記念コンサートは、渡辺真知子さんの素晴らしいパフォーマンスと藤野浩一さんによる素敵なアレンジと2人の楽しいトークで、大成功に終わりました。また、山響の新たなサウンドは、ポップスオーケストラとしての今後の可能性を期待させるもので、12月に予定されている八神純子さんとの公演にも大きな期待が寄せられます。終演後は藤野さん、渡辺さんを始めスタッフ一同日本酒で打ち上がり、山形の銘酒「十四代」を楽しみ、さらにいつもの「魅巣亭」で深夜まで盛り上がりました!

Arrangement

藤野浩一さんとのリハーサルも2日目に入り、オーケストラも好調です。今回はドラム、ベース、ピアノにスペシャルゲストが入っていて、リズムセクションががっちり決まっています。曲目も70年代の音楽が中心で、巧妙なアレンジが山響のサウンドをがらりと変えています。渡辺真知子さんとの共演ももちろん初めてですが、その歌声と音楽性はさすがに素晴らしく、気さくな人柄もとても魅力的です。明日の本番が楽しみですね!

Pops

海外のオーケストラ、特にアメリカのオーケストラでは、サマーシーズン(6月〜8月)に音楽祭やポップスコンサートを開催する事が多く、音楽ファンにとって夏休みの楽しみの一つです。中でもボストン交響楽団がサマーシーズンに演奏する「ボストンポップス管弦楽団」は、全米のみならず世界中で有名です。このオーケストラは、ボストン交響楽団の首席奏者を除くメンバーで構成されていて、かつてはルロイ・アンダーソンやアーサー・フィドラーの指揮でレコーディングも多く、日本でも多くのファンがいました。1980年代後半からは、「スターウォーズ」などの作曲で一躍有名になったジョン・ウイリアムズが音楽監督になり、最新の映画音楽もとりあげるようになり、来日公演も行いました。このように、オフシーズンにポップスオーケストラを組織して活動を行うことがオーケストラの魅力をアップする事に繋がっていることはとても素晴らしいと思います。

山響ではこれほどのポップス活動はできませんが、年に数回カジュアルなプログラムでのコンサートを企画しています。毎年続いていたのは作曲家、神津善行さんのファミリーによるコンサートで、クラシックの枠にはまらない楽しい内容と魅力的な構成がとても好評でした。今年は新しい企画を考え、指揮者・アレンジャーで、神奈川フィルのポップスオーケストラの音楽監督である藤野浩一さんをお迎えし、藤野さんの編曲と構成によるコンサートを行います。ゲストには歌手の渡辺真知子さんをお迎えし、「迷い道」などご自身のヒット曲をオーケストラバージョンで豪華に演奏します。ボストンポップスほどの規模ではありませんが、多くのお客様にお楽しみいただければ嬉しいですね。

After a dream

今日はオーケストラはお休み・・・昨日までの怒濤の数日間は、まさに夢のような日々でした。本当の感動はこれからじわじわと出てくるのかもしれません。気持ちが落ち着いたらもう少し今回の演奏について客観的に書こうと思います。明日からは24日が本番の「海の日記念コンサート」のリハーサルです。今度はマーラーとは正反対の1970年代のポピュラーミュージックを中心としたプログラムで、ソリスト(と言っていいのかな)は歌手の渡辺真知子さんです。マーラーを演奏した後なので、気持ちを切り替えるには良いプログラムかも知れませんね。

Auferstehungs

昨日の感動的な山形公演に続き、いよいよ仙台公演です。今日は復旧工事が終わった東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)の再開のコンサートでもあり、まさに「復活(Auferstehungs)」です。午後にホールに入るとすでにステージは完璧に出来上がっていて、NHKのテレビチームもカメラやマイクのセッティングに余念がありません。山形市民会館よりはかなり大きな舞台と客席に、115名分の椅子と譜面台がきちんと美しく並べられていて、舞台上には良い意味での緊張感が漂います。ゲネプロではカメラ割りのために必要な部分と、ホールの違いによるアンサンブルの調整を行い、本番に備えます。心配された集客もほぼ満席で、仙台市民の皆さんがこの演奏会に寄せる関心の高さが伝わってきます。本番は昨日にも増して凄いもので、客席には泣きながら演奏を聴いているかたも多く、まさに「被災地」での演奏であることをあらためて強く感じました・・・私自身も演奏しながら感動してしまい、思わず涙しそうになりましたが、音楽に集中しなければと思い、気持ちを強く持ちながら演奏していました。昨日の演奏も素晴らしかったですが、今日は2つのオーケストラにとって、まさに「歴史的名演」といって過言ではないでしょう。これまで近くにいながらも一つになりきれなかったオーケストラが、心を共に音楽を奏でる事がようやく叶い、それが多くの人々を励ます力になる・・・やはり、文化や芸術の力は凄いものだと思います。これからも山響と仙台フィルが時には向き合い、共に音楽を奏でることが求められていると感じましたし、お互いにとって新たな道を拓いてゆくこともこれまで以上に可能になると思いました。共演して下さった仙台フィルの皆さん、そして事務局の素晴らしいスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。そしてこの演奏を聴いて下さった全ての皆様に心から感謝いたします。

#222

初日の本番です。一年がかりで準備してきましたが、あっという間にここまで来た・・・という感じです。今日は山響の第222回定期演奏会として開催されますが、定期の演奏会場が山形テルサに移ってからは、2回公演が基本になり、定期会員も増加したので今回のような山形市民会館での1回公演では(編成上、舞台が広いホールが必要で、山形市民会館が最も舞台面積が広かった)定期会員の出席と一般売りのお客様が多くなった場合、座席が足りなくなる可能性があり、事務局(チケットサービス)では今回の営業に細心の注意を払いながら販売をしていました。明日は仙台フィルの主催公演として行われますが、こちらは定期演奏会ではないので全席販売になり、そのためまだチケットには余裕があります。仙台フィルでも全席販売の特別演奏会はリスクを伴うもので、今回の共演を快く引き受けて下さったものの、山響としても販売が心配になります・・・演奏のことではなく、こういうストーリーが初めに来るあたりが、私の今の立場を示していますね・・・

演奏は大変素晴らしいもので、第1楽章冒頭から集中力の高い凝縮された音楽がホールを満たします。16日のリハーサル初日は若干不揃いな部分もありましたが、いつしかオーケストラの違いはなくなり、同じ音楽家として心を一つにできた演奏でした。バンダ(舞台外)も見事な演奏でしたし、超難易度の高いバンダとオケのフルートとピッコロの絡みも完璧に決まり(本当にブラボーでした)合唱も明確な発音と劇的な表現でオーケストラと共に音楽の核心に迫る演奏を展開し、満場の聴衆から万雷の拍手を受けることが出来ました。今日の模様は山形放送のドキュメンタリー番組として放送されるほか、全ての演奏が日経チャンネルで7月24日からUstream配信されます。より多くの人々にこの感動を共有していただきたいと思います。明日は仙台での演奏・・・山響と仙台フィルだけでなく、すべての人々にとって大きな意味を持つ演奏会になるでしょう。

Banda

マーラーの交響曲では、ステージの外で演奏する「バンダ」と呼ばれる別動隊が活躍する曲がいくつかあります。「復活」でも第五楽章にホルン、トランペット、打楽器、ティンパニがステージ裏で演奏する箇所があります。リハーサル当初はステージの上手(かみて)裏で演奏していましたが、バランスと距離感を考慮してホワイエに場所を変えました。オーケストラとは反対の方向から聴こえてくる響きに期待していて下さい。

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Mute

リハーサル2日目、まるで一つのオーケストラのように響きが揃ってきました。大編成のオーケストラはやはり迫力が違います。でも、アンサンブルは丁寧にいつも通りに…

この写真はチューバのミュートとトランペットのミュートです。チューバの方は凄い大きさですね!

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