メサイア(モーツァルト版)の演奏が終わりました。会場には数日前まで仙台フィルの定期公演を指揮されたバッハ演奏の権威であり、佐々木正利先生の師匠であるヘルムート・ヴィンシャーマン教授もお見えになり、オーケストラにも緊張感が走ります。トランペット奏者的にはヘンデル版の方が良いと思いますが、管楽器が増えた事で柔らかな厚みが増し、バロック音楽のキレとシャープさは失われたかもしれませんが、古典派の宗教曲らしさが出ていたのがやはりモーツァルトの頭の良さかなと感じながら演奏を聴いていました。(39曲中6曲しか出番がないんです。みんなの演奏を特等席で聴けるんだから曲休みも悪くないですよ)合唱、独唱も素晴らしく、山響の弦楽セクションの美音も印象的でした。それにしても、35歳の生涯で700曲以上作曲したモーツァルトは多忙な中、こんな仕事もしていたんですね。…
きっと今頃は…
モーツァルト: 先生(^-^)/僕が編曲した先生のメサイア、いかがだったでしょうか…
ヘンデル: ( ̄ー ̄)…
こんなんだったりして…
仙台市内の東北大学構内の萩ホールで、メサイアのリハーサルです。この演奏会は、仙台宗教音楽合唱団の創立45周年の第35回定期演奏会として行われるもので、昨年もモーツァルトのレクイエムを山響と共演しています。この合唱団の指揮者を務める佐々木正利先生は、宗教音楽のスペシャリストとしてヨーロッパを始め各地で絶賛され続けています。ソリストとしての輝かしいキャリアはもちろんですがその豊富な経験に基づく指導にも高い評価があり、山響アマデウスコアの音楽監督としても素晴らしい成果をあげています。とにかく、ドイツ語の発音と発声法の指導が素晴らしく、何を話しているのかはっきりききとれますし、言葉のニュアンスも歌詞の意味を充分に吟味したもので、とても音楽的です。今回はヘンデルのメサイアを演奏しますが、何とモーツァルトが編曲したヴァージョンで、滅多に演奏される事はありません。ヘンデル版の管楽器はオーボエ2本、ファゴット、トランペット2本、そしてティンパニですが、モーツァルト版はフルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、トロンボーンがアルト、テナー、バスの3本と、オペラやミサ曲なみの厚い編成ですトランペットは高音のパッセージをことごとく下げてあって、ピッコロトランペットは用無しでナチュラルトランペットで充分に演奏出来ます。トランペット奏者としては演奏は楽ですが、何だかつまらないかも…でも合唱が素晴らしいので、どんな音楽になるのかとても楽しみです。
時には珍しいお話を…この写真は1985年8月1日に山形市民会館(7/31長井、8/2酒田)で行われた山響第50回定期演奏会のショットです。指揮は1983年に村川千秋氏の後を受けて常任指揮者に就任した渡部勝彦さん(在任期間1983〜1994年)で、写真の演奏はブルックナーの交響曲第四番「ロマンティック」です。ここに写っていて現在も在職しているのは、私(第2トランペット)、当時首席クラリネットの郷津さん、フルート首席の足達さん(この演奏会ではまだエキストラでした)、写っていませんがトロンボーン五十嵐さん、ティンパニ南さん、ホルン大和さんと奥様でヴァイオリンのゆり子さん、ヴァイオリン菖蒲夫妻(当時は結婚前)、蜂谷ゆかりさん(エキストラ)、降り番では打楽器三原さんの11人だけです。この時私は26歳…また、私の隣、第3トランペットの席には私と当時の第1トランペットだった鬼頭伸明さんとの共通の師匠である往年の名手、NHK交響楽団の福井 功先生です。先生はこの時N響現役の54歳、今の私とあまり変わらない歳なんですね…この頃はみんな若く、コンサートの回数や中身も今とは全く異なっていて、オーケストラの運営は今より大変でしたが苦しくも楽しい日々でした。写真からも今の山響の落ち着きとは違う勢いみたいなものが観て取れると思いますがいかがでしょうか…
久しぶりのスクールコンサートは、天童市高擶(たかだま)小学校です。今日は気温も高く、少し蒸し暑いくらいでしたが、演奏はスムーズでした。山形市近郊では毎年山響の演奏を聴いてくれている学校が多く、とてもありがたい事ですが、ここ数年は毎年はっきりわかるくらいに児童、生徒の数が減っている学校がいくつもあります。離農や不況などで地域の経済がふるわなかったり、少子化が予想を上回るペースで進んでいる事もあるのでしょうが、このままでは10年、20年先が心配ですし、私たちの音楽を聴いてくれる次世代の音楽ファンも減ってしまってはオーケストラの将来も不安なものになるでしょう。私たちの演奏を聴いて喜ぶ子供達の笑顔を見ながら、世の中が少しでも好転するよう、願った一日でした。
何だか毎日天気が変わり過ぎです…もうすぐ6月だっていうのに、妙に寒かったり急に暖かくなったり…体がついていきません。毎年、5月の連休に自宅レッスン室のエアコンを掃除するのですが、今年はまだで、こんな事は初めてです。今年は冷夏か猛暑かどっちなんでしょうかね…夏がくるのがコワイです。
ついに開業しましたね・・・工事中に近くで見る機会がありましたが、圧倒的な高さです。近くに高い建物がないので比較が難しいですが、首都高速を走りながら時々目にするその威容は、新しい東京のシンボルですね。自分も早く見てみたいと思いますが、予約でいっぱいとの事で、当分は無理でしょう・・・しかし、近くの浅草を始めとするクラシカルな町並みは私もとても好きです。この辺をのんびり散策するのも良いと思います。隅田川の花火大会をスカイツリーの展望台から見たら凄いでしょうね。でも、東京タワーもやはり良いと思いますし、芝公園は都会的な雰囲気がありますよね。仕事以外で東京観光をゆっくりしてみたいと思うこの頃です・・・
今日は休日・・・山響では定期演奏会のリハーサル初日の前日と、最終公演日の翌日は「公休日」とする「労働協約」があります。これはとてもありがたい規則で、一日休むだけでかなりリフレッシュできますね(私はそうですが、そうではない人もいるかもしれません)ゼネラルマネージャーとしては今日も出勤しなければならないのでしょうが、楽員と兼務している現在は自分の判断で楽員としての規則も適用しています。今日は久しぶりにマッサージに行って、血液の流れがいかにも悪そうな体をリセットしてもらい、頭も軽くなりました。唇もかなり荒れていたので練習も休み、今日は音楽家としては「閉店」という事にして心身の休息です。長年演奏していると時々こんな日も必要になってくるんですね・・・
三日間のリハーサルと三日連続のコンサートが終わりました・・・さすがに疲れましたね・・・肩と背中、それに頭がガンガンします。今回はやはりトリフォノフさんとの出会いですね。次に共演できるのはいつになるか分かりませんし(私はもう楽器を吹いていないかも)きっと大巨匠になっているでしょうね。でも山形での日々を忘れないでいてくれたら嬉しいですね。今日の米沢でも圧倒的なパフォーマンスでした・・・
ブラームスはやはり素晴らしい音楽です。個人的には1番が最も好きですが、2番の良さもあらためて知ることができました。舞台上の自分の席からはチェロやヴィオラの内声の動きが良く聴こえ、ブラームスが凝りに凝った対位法(作曲技法の一つです)をしっかり勉強できました。指揮をするときのスコアの読み方がこれから変わりそうです。
そう・・・実はこれで終わったわけではなく、来月には「さくらんぼコンサート2012」で再び同じプログラムで大阪と東京です。一度頭をリセットして新たに曲を見直してみようと思います。その前に少し休みたいな・・・
定期二日目も素晴らしい演奏会でした・・・
今日、5月19日は山響の特別首席チューバ奏者だった松下晃一さんの命日です。2010年に亡くなってもう三回忌になります。ブラームスの交響曲でチューバが入っているのは今回の第2番だけですが、それを今日この日に演奏できるなんで、不思議ですね。ステージでは松下さんの音と優しい人柄を思い出しながら演奏していました。きっと私たちの演奏を聴いて楽しんでくれたと思います。
(写真は2008年11月22日に山形テルサで行われた第192回定期演奏会での金管セクションです)
初日のコンサートが終わりました。西村 朗さんの新曲には弦楽器奏者のみなさんは苦労していたようですが、精密なアンサンブルが素晴らしかったと思います。そしてトリフォノフさんのものすごい演奏!リハーサル、ゲネプロとも違う圧倒的なテクニックと表現力は、オーケストラと一体となりこれまで聴いた事のない世界を生み出しました。そして、後半のブラームスは穏やかな歌と深い響きがこの曲の特徴をよく表していたと思います。ホルン、オーボエ、チェロ…ブラボーです。
きっと明日も素晴らしい演奏になるでしょう。
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