横浜から戻り、休む間もなく午後から山形北高の吹奏楽部(音楽科ではなく)とのリハーサルでした。北高の吹奏楽部は6月16日(土)に山形テルサで定期演奏会を開きますが、私はソリストとしてロシアの作曲家、アレクサンドル・アルチュニアンのトランペット協奏曲を演奏します。また、その後のプログラムでマルコム・アーノルドの交響曲第2番を指揮します。つまり、ゲストソリストと客演指揮を一晩の演奏会で両方やってしまうという・・・大丈夫かなあ・・・
今日は初めての協奏曲の合わせでした。生徒達はまだ指定のテンポには届いていませんが、一生懸命に練習してくれて私も演奏するのが楽しかったです。アーノルドの交響曲は音楽的に難しい曲で、細部のイメージなどを指示して音楽を造ってゆきました。これから本番までリハーサルが繰り返されますが、よい演奏会になるよう、みんなでがんばりたいですね!
「コール・フォレスタ」との演奏会が終わりました。モーツァルトのレクイエムはとても好きな曲ですが、序奏のD-C#-D-E-Fのモティーフがバセットホルン(クラリネットの仲間です)とファゴットで歌われる部分は本当に美しく、何度聴いても感動してしまいます・・・映画「アマデウス」では、死の床にあるモーツァルトがサリエリに口述筆記をさせている場面で、Confutatisが使われています。しかしこのシーンは全くのフィクションで、こんな事はあり得ないと思いますが、音楽の使い方としては良いのかも知れません。そして、絶筆となったLacrimosaは8小節目までがモーツァルトの作品で、その後は弟子のジュスマイヤーが完成させます。これにも諸説あり、本当のところは分からないのでしょう。ただ、ジュスマイヤー版(今回はその楽譜で演奏しました)は批判はあるものの良く出来ていて、あまりの天才であったモーツァルトの仕事を引き継いだ事への苦労が偲ばれます。
今回も金管とティンパニはオリジナル楽器で、Tuba mirumの有名なトロンボーンのソロは、新日本フィルの宮下宣子さんが客演で見えられ、素晴らしいソロを聴かせていただきました。オリジナル楽器を演奏することで、作品の本質が見えてくることが良くありますが、この演奏も金管とティンパニがレクイエムに相応しい威厳のある響きが出せたと思っています。その意味においては、楽譜の版の違いではなく、モーツァルトの音楽の本質に少しは近い演奏だったのではと感じています。この曲を次に演奏できるのはいつか分かりませんが、今回は手応えのある演奏だったと思います。
一昨日からの「爆弾低気圧」も去りましたが、今朝の山形市は雪が降りました…今日は横浜市内の港北公会堂でリハーサルです。横浜は東京に比べて落ち着いた雰囲気があり、住んでみたい街の一つです。リハーサルは順調に進み、モーツァルトでは透明な響きが空間を満たしてゆきます。ラターのマニフィカトは初めて聴きましたが、1945年生まれのイギリスの作曲家で、合唱の世界ではとても有名なようです。現代風な叙情と軽やかなリズムが印象的な素敵な曲です。合唱団の皆さんの柔らかな響きが心を癒してくれるようです…
新年度最初の仕事は4月6日に横浜市のみなとみらいホールで開催される本番に向けたリハーサルです。今回は「コール・フォレスタ」という横浜市の合唱団との共演で、モーツァルトのレクイエムとラターのマニフィカトを演奏します。ラターのマニフィカトはトランペットは入りませんが、初めての曲なので、楽しみです!
新公益社団法人として新たなスタートを切ったのは良かったのですが、引越しの最も大事なことがまだ終わっていません…電話回線の移設がまだなのです…ずいぶん前に工事の予約をしていたのに、「手違い」で工事がスケジュールされていなかったとか…これも「想定外」なのでしょうか…本来ならば月曜の2日から事務局はフル稼働のはずなのに、電話もネットも不通で、電気だけが辛うじて灯るという、これじゃあ19世紀のようです。仕方なくスタッフのみんなは自分の机を片付けたり、携帯電話で連絡をとったりして、ほとんど仕事にならずに一日が終わりました。全国から電話やメールを下さったであろう関係者を始めとする多くの皆さん、山響は「臨時休業」で、「閉店」ではありません。今少しお待ちいただきたく、お願い申し上げますm(_ _)m
お知らせです。
山形交響楽団を運営している社団法人 山形交響楽協会は、2012年4月1日より公益社団法人 山形交響楽協会として新たにスタートしました。お客様には何ら変わる事はありませんが、より公共性と透明性の高い、そして何より質の高い音楽を多くの方々にこれからもお届けできるよう、職員、楽団員一同頑張ってゆきたいと銘じています。どうか今後ともさらなるご支援を賜るよう、よろしくお願い申し上げます。
2012年4月1日
山形交響楽団ゼネラルマネジャー 佐藤裕司
今日から新年度・・・でも日曜ですが、今日は山響事務局の引っ越し(Moving)で、定休日のうちに終わらせようと、全員出勤で朝から作業でした。家庭の引っ越しと違い、事業所の引っ越しはとにかく書類の多さ!この機会にどんどん廃棄し、整理して運び出します。普通なら運送業者が行うのでしょうが、引っ越し先は隣の「緑町会館」なのでトラックも使わず、自分たちで運び出しました。私は午後に「けやきの森」のリハーサルを指揮するため、いったん作業から離れ、リハーサルが終わってから戻り、18時頃には何とか作業を終えることが出来ました・・・でも、この緑町会館も夏までの仮住まいで、9月からは山形県民会館に引っ越し、そこで落ち着くことになります。それにしても、大変な一日でした!
復興への願いを込めたベートーヴェン「第九」のコンサートが終わりました。ソリストも合唱も素晴らしく、今回もオーケストラはオリジナル楽器で、昨年末の山形テルサでの公演では使用しなかったナチュラルホルンも今回は使用し、第三楽章のソロは岡本さんが見事に演奏していました。ブラボーです。終演後はロビーで打ち上げがあり、飯森監督に付いていた私も参加して多くの皆さんと話をすることが出来ました。震災当時、全国のミュージシャン達は自らの無力さを無念に思っていましたが、仙台フィルの献身的な活動を目の当たりにしてジャンルを問わずに立ち上がり始めます。そして、被災地や避難所へ音楽を届け、お互いの気持ちを一つにすることで音楽の力をあらためて知る事になります。美里町の皆さんのお話からも、音楽の大切さがとても良く伝わってきて、こちらが逆に励まされるような気がしました。明日からの新年度も、より多くの方に音楽を届けてゆきたいと、気持ちを新たにして会場を後にしました・・・・
今日からは本番会場の宮城県美里町でリハーサルです。合唱団はよく練習されたしっかりとした演奏で、オーケストラもダイナミックスをセーブせずにサウンドが拡がります。明日の本番が楽しみです!写真はリハーサル終了後に宿泊地の古川駅付近のバーで楽しむ友人達です。
今日は第9のリハーサルを早めに切り上げて、バイオリンとチェロのオーディション二次試験が行われました。先日の一次試験を通過した受験者の、さらに難しい課題に挑む姿は真剣そのもので、年々上がってゆくレベルの高さを物語っているようです…新たな若いプレイヤーを迎えられる日ももうすぐかもしれません。
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