August

8月になりました…先日の新潟、福島の記録的な豪雨は、東日本大震災の津波を思わせるような破壊力で、自然の力というにはあまりに無慈悲な事が多すぎると感じます。

今月は比較的スケジュールに余裕があり、吹奏楽コンクールも山形県大会まで終了した事からクリニックやレッスンも一息つける時間があります。これから暑さが増すのでしょうが、超多忙な秋に備えて体と心を休めておきたいですね…

BWV

ロ短調ミサ(h-moll)終わりました。舞台でのチューニング前に出演者とお客様で東日本大震災の犠牲者に黙祷を捧げ、偉大なバッハのミサ曲が始まりました。極度の集中が求められる音楽でしたが、会場が一体となった素晴らしい時間でした。これ以上の事は日を改めて記したいと思います…

Nakaniida

中新田バッハホールでのリハーサルが終わりました。現在では「加美町文化会館」というのが正式な名称のようですが、やはり「中新田バッハホール」ですよね。30年前にこのホールが開場した時は、こんな素晴らしいホールが田んぼの真ん中にあると、全国的に注目されました。文化による町おこしの始まりでもあり、その後全国の地方コンサートホールのお手本ともされました。音響は今もなお国内トップクラスで、多くの著名アーティストがその響きを賞賛した事は記憶に新しいところです。

「h-mollミサ」ではトランペットは全体の半分も出番がありませんが、その存在感と言ったらオーケストラで1番かも知れません。また、オーボエ(オーボエダモーレ)やフルート(フラウトトラベルソ)の長いソロが奏でる旋律は、協奏曲並みの凄さですし、ホルン奏者が演奏する「コルノ・ダ・カッチャ」(現在も何の楽器か解っていません。普通のホルンで演奏される事も多いですが、今回は小型のホルンで演奏されます)は、全体で一曲しか出番がないのにとても印象的です。出番のない曲をスコアを見ながら聴いていると改めてバッハの凄さがよくわかります…

Bach

バッハの大曲、「ミサ曲 ロ短調」のリハーサルが今日から始まりました。山響がこの曲を取り上げるのは三回目で、最初は今回と同じ中新田バッハホールでクリスマスの日でした。この頃私は第一トランペットを多く演奏していて、とにかく高音が多く苦労したのを覚えています。次は山形テルサホールでの山響特別公演で、クリスチャンである黒岩英臣先生の入魂の指揮ぶりが今も強く心に残っています。そして今回は充実した弦楽器のサウンドを中心に、管楽器のソリストたちの煌びやかな響きが素晴らしく、震災後の補修工事が完了し、さらに素晴らしくなったホールにどのように響くかとても楽しみです…

Separation

毎日夕方になると決まったようにスコールのような雨が降ります…隣の韓国ではソウルでの土砂崩れが津波のように市内を襲っていました。山形も湿度が高く、冷房が効かない場所では熱中症になりそうです…

今日はリハーサルがありましたが、いつもの聴き慣れたサウンドと僅かに異なる響きがしました。なぜだろうと周りを見渡すと、フルートの第二席に違う奏者が座っていました…そう、今日からは竹谷さんがいません。オーケストラは指揮者や奏者の交代を経て、少しずつ変化し、成長して行きます。これから新しいフルート奏者が決まり、山響も新たな時を迎えるのでしょうが、素晴らしい仲間と過ごした思い出も心に留め、前進してゆければ…と感じた一日でした。

Exercise

先週はナチュラルトランペットを携えて古典派音楽の世界に出かけていましたが、今週末はモダンのピッコロトランペットでバッハに会いにバロックの世界にタイムスリップです。

今月31日に中新田バッハホールで行なわれる、バッハホール30周年記念特別演奏会「ロ短調ミサ」は、当初5月の予定でしたが、震災の影響で今月に延期になりました。バッハホールのある宮城県加美町は、内陸なために沿岸地域ほどの被害はなかったものの、ホールが被災し、補修工事が必要になり、先日ようやく工事が終了し今回の演奏会が開催可能になりました。このバッハホールは、音響の良さで全国的に有名になり、町おこしにも大きな役割を果たしてきました。今回の演奏会はホールの30周年と震災復興の願いを込めた大変意味のあるコンサートです。しっかり準備をして気持ちを込めた演奏をしたいと思います。

vw

久しぶりのVWレポートです。4月の納車以来もう10000キロを越えましたが、快適なドライブを楽しんでいます。山形にはVWをカスタマイズする専門店がないのが残念ですが、インターネットで海外からパーツを取り寄せたりして少しずつカスタマイズしています。昔は整備なども自分でしたこともありますが、今の車は複雑過ぎてお手上げです…最近はハイブリッドが多くなってきましたが、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンも日々改良されていて、特にヨーロッパではディーゼルエンジンが乗用車の半数近く使われています。3月にアムステルダムに行った時もいろんな車種でディーゼル車を見ました。現在のディーゼル車はガソリンエンジンと比べても騒音は変わらなく、以前の様に黒煙を吹く事もありません。原油からはガソリンや軽油、重油など何種類もの燃料が精製できます。日本でもヨーロッパの様にクリーンディーゼルエンジンがもっと使われても良いと思いますが、なかなか難しいようです。VWのディーゼルエンジン「TDI」などは高性能でとてもクリーンなエンジンで、日本に導入されたらぜひ買いたいと思うのですが…

MUJ conference

昨日の疲れが残る中、MUJ(日本音楽家ユニオン)の定期全国大会に出席するために車を飛ばしてきました。議事に参加しながら来月のオーケストラ協議会定期総会の準備をしていますが、MacBook ProとiPad2、iPhoneを駆使して作業をしています。不況に加え、震災が音楽業界に与える影響は甚大なものですが、ジャンルにかかわらず音楽家が力を合わせて復興のためにできる事を進めなければなりません。有意義な議論が行なわれる事を期待します。

The friendship

定期演奏会も全て終わり、鈴木秀美さんとの古典音楽への旅はとても楽しく、音楽家としてとても満足できるものでした。山響にとっても新たな響を身につけたと言える一週間だったと思います。終演後は竹谷容子さんの送別会が行なわれ、鈴木秀美さんをはじめほとんどの楽員が参加し、たくさんの思いで話などで盛り上がりました。でも決してしんみりする事なく、容子さんのキャラクターのように爽やかなひとときでした。また、これは他のオーケストラではまずあり得ないと思いますが、写真が趣味の楽員が、新旧さまざまな写真や楽員、スタッフ、指揮者みんなの写真をまとめた「卒業アルバム」を作り贈呈しました。これは退団する楽員に贈るのが恒例になっていて、みんなの友情や仲間意識の強さを表していると思います。容子さん、32年間本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。

With thanks

今日から山形テルサです。今回はライヴレコーディングもあり、オクタヴィアレコードのスタッフが機材を持ち込み、リハーサルからサウンドチェックに余念がありません。オーケストラも昨日の「ダメだし」的なチェックと、リハーサル念のために録音するので、慎重に演奏します。

今回の定期は、私たち山響にとって特別な意味を持つものでもあります。1979年に入団以来、32年間もの間フルート奏者として活躍してきた竹谷容子さんが、明日の本番を最後に退団されます。竹谷さんは兵庫県のご出身で、作陽音楽大学を卒業されたのち、山響に入団され、それ以来今日まで木管セクションの要としてなくてはならない存在でした。また、1985年に現在の首席奏者である足達祥司さんが入団する前は、第一フルート奏者として数々の名演を残されました。
足達さんが入団してからは第二フルートとピッコロ奏者として、絶妙なアンサンブルを作りあげ、オーケストラのフルートセクションとして理想的なプレイを続けられてきました。個人的にもとてもお世話になった先輩で、公私共に良い思い出が数えきれないほどありまあす。オーケストラで長く演奏していると、色々な問題や人間関係の難しさに直面する事もありますが、竹谷さんはメンバーの全員から好かれる素晴らしいキャラクターでした。あの、優しくも厳しい、でもどこかホンワカとした独特の雰囲気がもうなくなってしまうと思うととても寂しくなりますが、これからの幸運とこれまでの感謝を込め、演奏したいと思います。