今日から山響は「仙台国際コンクール」での伴奏を仙台フィルと共に務めるためにリハーサルに入っています。予選のプログラムはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲なので、トランペットとトロンボーンは出番なし、いわゆる「降り番」です。私は以前から予定されていたMUJオーケストラ協議会の会議のために車で上京し、夕方から夜まで議事をこなし、明日行われる松下晃一さんの告別式に参列するために前橋市に移動してきました。昨日の彼の逝去から一夜明けてもどうしてもその悲報が信じられず、折れかけた心を建て直して雨の中、車を飛ばしました。
この前橋近辺は松下さんの故郷で、街に漂う穏やかでどこか懐かしい昔の日本を思わせる光景は、松下さんの暖かい人柄を連想させます。きっとこの街で楽しい子供時代や青春時代を送ったのでしょうね・・・松下さん、遅くなりましたけどやっと会いに来れましたよ。明日は心から感謝の気持ちをこめてお別れに行きます・・・
山響特別首席テューバ奏者の松下晃一さんが本日、逝去されました。
松下さんは長年にわたり山響の客演奏者として数々の名演を残され、昨年4月からは特別首席テューバ奏者として山響へお迎えすることができました、しかし同月から体調を崩され療養生活に入り、昨年7月に新潟市でのブルックナーの第4番を中心とした演奏会から復帰され、病状は回復へと向かわれていました。ご本人も自身の病状を良く理解されていて、根気強くリハビリと根治にむけて強い心で戦い続けていました。しかし、今年に入り病状が悪化し、今月上旬のお仕事を終えられたあと、入院されて再び闘病生活を続けられてきましたが、ご本人とご家族、関係者の願いもかなわず、本日逝去されました。
松下さんはその飾らない思いやりの深いお人柄と、いつでも全力で音楽に打ち込む姿勢で、すべての音楽家から尊敬されていましたし、本当に誰からも好かれる魅力あふれる人物でした。山響に客演されるようになってからは楽団員ともすぐに打ち解け、私なども大変良くしていただいた思い出ばかりです。お酒は全く受け付けないものの、パーティーには良く参加してくれて、いつも笑いの中心でした。私はMacや車の話で松下さんと盛り上がるのが毎回楽しみで、松下さんの山響でのラストステージになってしまった今年3月28日の「山響オーケストラの日」でも、「どちらが先にiPadを買うかね」「新型iPhoneなら欲しいですね」などとと談笑し、その笑顔がとても嬉しそうだった事が忘れられません。ステージの上でも松下さんは私の斜め後ろが定席なので、毎回の素晴らしいプレイと抜群のミュージシャンシップから多くの事を学んできました。
いずれは誰しも人生の終わりを迎える日が来るのでしょうが、まだまだ一緒に音楽を奏でたかった・・・もっともっと教えて欲しい事がたくさんありました・・・本当に残念でなりません。
心よりご冥福をお祈りいたします。
以下、松下晃一さんの通夜・告別式の日程です。
お通夜 5月20日 18時〜
告別式 21日 11時〜
会場 群馬県前橋市北代田町597−4
天国社 ホワイトハウス若宮
tel:027-219-1059
喪主;茂木崇弘(もぎたかひろ、松下さんの妹さんのご主人です)
生花、供物等の申し込みの儀については、20日午前中までに斎場へお願い致します。
写真:昨年8月19日に行われた松下さんの特別首席テューバ奏者としての入団歓迎会でのショットです。
一週間のご無沙汰です・・・とても忙しく、充実した日々を送っていました。山響205回定期はベートーヴェンの威厳、ショスタコビッチでのピアノ、トランペットとオーケストラの緊迫した素晴らしい音楽、そしてチャイコフスキーの爆発的な響きと静けさ(オーボエ、ファゴットのソロが絶品でした)を飯森さんの指揮の下で十全に表現できたと思います。久しぶりの平日公演でしたが、来場された方も満足されたようで、山響の充実ぶりをホールが一体となって感じていただけたようです。
今日は、私が指揮者を務めている「けやきの森ブリティッシュブラス」の定期公演が文翔館で開催され、ブラスバンドのオリジナル曲やクラシックの名曲などを約2時間にわたって力いっぱい演奏しました。いつもオーケストラの自分の席からいろんな指揮者を見ていますが、自分がその立場になると様々な事が分かってきます。演奏、指揮とも作曲された音楽をどのように再現するかが最も重要で、そのために自分の技術と感性をどこまで磨くことができるかがチャレンジです。いろいろな立場で音楽に接する事ができるのは、とても幸せな事だと思いながらの本番でした・・・
このサイトを立ち上げてから一年が経ちました。Mac歴は長かったものの自分のホームページ、とりわけブログに対してはなかなか踏み出す事ができませんでしたが、Net-Wの西田社長の手厚いサポートで今日まで継続する事ができました・・・この間、たくさんの方々からコメントやメールもいただきましたし、ネットワークが生み出した新たな交流なども増えました。一年前は考えられませんでしたね・・・でも、よくここまできたと思います。なぜなら、私は面倒くさがりだし、根気もありません。それに他人に自分の事を話す事が少ないタイプで、同様に他人の事にも興味がありません。しかし、この一年間で少しだけ自分が変われた気がします。これからも気負わずに自然体で続けてゆければと思っています。どうか今後ともよろしくお願いいたします。
さて、山響は昨日から定期公演のリハーサルです。今回はチャイコフスキーの第四番をメインに、ベートーヴェンのレオノーレ序曲第三番とショスタコヴィッチのピアノ協奏曲第一番という本格的なプログラムで、オーケストラと飯森監督のボルテージも高まっています。明日はテルサに移ってのリハーサル最終日。本番は11、12日が19時からテルサ、13日19時から酒田市民会館です。金管楽器が大活躍しますので、ぜひご来場下さい!!
今日は「立夏」です。日本の暦を表す言葉はとても繊細で、そのニュアンスを保ったまま外国語に訳すのはほぼ不可能ですね・・・でも、early summerという言葉にはさわやかな風や柔らかな日差し、またエキサイティングな季節へのプロローグといった期待を込めたようなニュアンスが含まれています。それにしても、つい3週間前には雪が降っていたのに、この天候の変化についてゆくのは大変です。
ゴールデンウィークが終わり、日常のさまざまな現実を連れてひとときの間異次元へと旅していた心は、初夏の熱気と共によりリアルなものとして自らに重くのしかかるように感じます。これから数ヶ月間、熱気の高い季節に負けないようなボルテージの高い演奏ができるよう、頑張りたいと思います。
5月に入ってようやくこの季節らしくなりました。ゴールデンウィークの山響は閉店状態なので、それぞれの休日を楽しんでいると思います。私は昨日、ヤマハ秋田店でトランペットセミナーの講師として、9時から18時半まで中、高校生のレッスンをしていました。秋田県は吹奏楽の世界では名門中の名門で、私も長く講師として指導にあたっている山王中学校や新屋高校、秋田南高校など、全国トップレベルの学校が多くあります。しかし、そんな素晴らしい演奏を続けている名門校でも、基本トレーニングの重要性をきちんと理解していて、金管楽器独自の練習メニューをしっかりこなしています。もちろん、山形県の学校でも同様に〜私たち山響のプロが近くにいるのですから〜多くの学校が高いレベルの技術を持っています。
吹奏楽のシーズンはこれからボルテージが高まってきます。6月には高校の定期演奏会が毎週のように開催され、サウンドと音楽を競い合っていますし、7月からはコンクールが始まり、真夏の暑さにも負けないようなハイテンションな演奏を聴く事ができます。吹奏楽の演奏会は、聴衆のほとんどが関係者であることが多いですが、クラシックコンサートとはまた違う魅力と楽しみがあります。若々しい、正直な演奏にふれるたびに音楽の多様な魅力をあらためて感じることができます。
今年度のスクールコンサートが今週からスタートしました。今年度の学校公演は山響の企画による通常のスクールコンサートと、先日の「名曲コンサート」のスポンサーである東北電力の提供によるコンサート、そして昨年秋からの「事業仕分け」で一時は廃止とされ、その後の全国的な運動で復活した文化庁の「子供のための優れた舞台芸術体験事業」の三事業で行われます。幸運なことに、スクールコンサートの開催に適したこれから11月末までのシーズンは、すでに多くの公演が決定していて、予定では本州の半分を巡る事になるようです。今週は月曜から29日の祝日をはさみ30日まで。庄内地方と村山地方で7ステージの公演です。例年、スクールコンサートの開催は、5月の大型連休と定期公演が終わったころから始まるのですが、今年度のように4月下旬からの開催はあまり例がありません。山響在籍がこの4月から27年目となった私も、満開の桜に囲まれた中でのスクールコンサートは始めてで、とても清々しい気持ちで演奏をする事ができました。寒気の影響で開花が遅れた事が思わぬ喜びをもたらしてくれました・・・明日も楽しみです!
先週に引き続き、東北電力「名曲コンサート」のリハーサル、明日が本番です。昨日は郡山市で49年ぶりの積雪があり、移動が心配されましたが無事にいわき市までたどり着けました・・・桜は満開になる前に雪に見舞われ、痛々しく見えます。今日も最高気温は8度ほどと、この時期としてはきわめて異例の気候ですね。
リハーサルと本番は、新たに建設された「いわき市芸術文化交流館(アリオス)」で行われますが、とても素晴らしいホールです!最新の設計で、馬蹄型の空間も大変広く、オーケストラの大音量もゆったり響きます。付帯設備やバックステージも広々としていて、アーティストに心理的余裕を与えてくれます。山形にもこんなホールがあれば・・・と本当に思います。新たなホールの建築は「ハコモノ」と言われ昨今の不況や「仕分け」などで全く進む気配がありませんが、目的の不明瞭な建築ではなく、山形の場合などはプロアマそれぞれが大変盛んに活動していて、北高や山大を始めとする優秀な教育機関もあり、洋楽はもとより邦楽などの団体やサークルも数多くある、とても文化的な都市です。そのような環境において、良いホールの必要性は充分にあるはずと思うのですが・・・理念なき「ハコモノ」ではなく、それを有効に活用する方法など、いくらでもあるはずです。
あまり愚痴っぽくなってもいけませんが、やはり新たな「山形県民会館」は必要です。いつが実現するよう、県民のみなさんで力を合わせて頑張りましょう。私の現役中に実現するかなあ・・・
今日は暖かな一日・・・ようやく春らしくなり、桜も咲き始めたようです。例年ならばすでに満開なのでしょうが、寒暖の差が激しい毎日が続き、草木も疲れているのでしょう・・・新緑も心なしか鮮やかさに欠けるように見えます。
オーケストラは金曜からのいわき市でのリハーサルとコンサートまでお休みで、生徒のレッスンやクリニックなどを中心に(自分の練習ももちろんですが)過します。今年度はここ数年では最も多忙なシーズンになりそうで、プレーヤーとしてはとうにヴェテラン(いろいろな意味がありますが、「熟練者」ですね)の域に達してしまった自分のコンディションと初めて演奏する新たなレパートリー、そして広範な演奏旅行の予定を見ては希望と不安が交錯します・・・・。とはいえ、いつでも問題が生じないように準備をし、しかもそれを人には見せないのがプロフェッショナルですから、しっかり責任を持った仕事を進めてゆかなければなりませんね。今日も生徒のクリニックを通して新たなインスピレーションを感じた瞬間がありました。いつもクリエイティヴな感情を持ち続けなければいけませんね!
昨日の本番後、秋田市に移動して友人達と楽しい夜を過しました。それにしても、昨日の積雪は信じられないというか・・・山形に住んで25年以上経ちますが、4月17日に雪が積もったのを見たのは初めてです。NHKなどの全国ニュースでも山形市の映像が報じられていましたが、山響のコンサートがあった鶴岡市でも、桜祭りが雪見祭りと化していました。それでもかなりの方々が公園に来ていましたが、ダウンジャケット姿での花見客を見た時は思わず苦笑してしまいました。
今日はこれから大仙市に移動して昨日と同じプログラムです。大仙市と言うのは秋田県南で合併により新たに生まれた自治体で、演奏会は大曲市民会館で行われます。神津ファミリーの暖かな雰囲気が会場中に伝わるとても素敵なコンサートです。今日も楽しい一日になりそうですね。
Hiroshi Sato Offizielle Website