明けましておめでとうございます。今年の山形は雪模様で、一面に白く輝く景色は新春にふさわしい美しさです。今年が多くの方々にとってよりよい年となるよう、心から願っています。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
Silvester
2009年も今日でおしまい・・・あちこち飛び回りたくさんのコンサートやレッスン、クリニックなど音楽の仕事をこなし、MUJの会議やブラジル出張・・本当にいろいろでした。山響では第200回定期での村川氏との感動的な再会をはじめ、聴衆の方々に支えられた実り多き一年でした。個人的には50歳になり山響在職も25年と節目になる年でしたし、5月にはこのサイトもオープンし、インターネットを通じて新たにたくさんの方々とも知りあう事ができました。
政治や経済はまだまだ不安定で、そのことが今後も私たちの生活や音楽などにさまざまな影響を及ぼし続けてゆくのでしょうが、文化人の端くれとしてより良い社会創りに微力ながら貢献できるよう、がんばってゆきたいと思います。
2010年が皆様にとって素晴らしい年になりますよう、心より願っています。1年間、ありがとうございました。
Suspension of business
東京での会議を終え山形にロケットのように戻り、夕方受験生のレッスンを終えたところで今年のお仕事はすべて終了・・・1月3日まで音楽家としては「閉店」です。毎年、この期間は楽器にも一切触れないようにしていますし、(今年は1回だけ演奏しますが)オーケストラの事も忘れてしまいます。
明日からは久しぶりにのんびり過したいと思います。年末だからといって急に掃除などをがんばってするタイプではないので、とりあえず休息・・・睡眠ですね。楽しみです。
Holiday
山響は今日から冬休みです。少しの間オーケストラから離れてリフレッシュする事は、長いプロ生活の中では時々必要な事です。私は年末年始は楽器に触れないようにして心身のリセットをするのが長い間の習慣ですが、最近はレッスンや吹奏楽のクリニックが年末ぎりぎりまで入ってきて、休む時間が少なくなってしまいますが、教育も大事な仕事の一つなので、できるだけ受けるようにしています・・・明日はMUJ本部でオーケストラ協議会の会議があり、車で上京します。会議の前にヤマハ銀座店にあるプロ奏者のための工房「アトリエ東京」に寄り、楽器のメンテナンスを依頼する予定で、楽器も大掃除&休日モードです・・・
Crisis
山響の今年最後の本番が大江町で終わりました・・・今年はたくさんいろいろな事があったので、簡単には表せませんが、残り少ない日々のなかで記して行きたいと思います。
先ほど、本番前に書いたものを少し修正します。
昨日、閣議決定された平成22年度予算案の中で、事業仕分けの対象になった「子どものための優れた舞台芸術体験事業」は、総額で49億円と当初の予定通り満額で計上されました。仕分け人からは辛辣なコメントも出ましたが、財務省は「仕分け以降、多くの意見が寄せられ、必要な事業と認識した」とコメントし、全国からのメールなどによる意見が大きく影響した事を示唆しました。「芸術創造活動特別推進事業助成金」(定期演奏会などに対する補助)は多少減額される可能性もありますが、全国の子供たちがこれからもオーケストラの生演奏に親しむ機会が保たれた事は、大いに評価できます。また、芸術に対する国の施策についての広範で具体的な議論がようやく始まったことは、今後、文化立国としての展望を構築してゆくためにも意義深い事であると考えています。これまでメールなどで意見を寄せて下さった多くの方々に日本音楽家ユニオン・オーケストラ協議会の議長としてこの場を借りて心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
Atsumi
今日から3月末までの間、「やまきょう 子育て応援コンサート」が県内各地で8公演にわたって行われます。この演奏会は、行政の主催で幼い子供を持つお母さん達や家族みんなで楽しめる事を目的に、今年度から新設された企画です。内容はNHK教育テレビの音楽教育番組のような感じで、歌とダンス、コーラスがオーケストラと共にステージを盛り上げます。今日は人口の少ない温海で、しかも平日午後という事もあり、集客は少なめでしたが、普段は育児や家事で演奏会に足を運ぶ事が困難な若いファミリーの笑顔が素晴らしかったですね。明日は同じ内容で14時から大江町ふれあい会館です。お近くの方、ぜひお越し下さい!
Noël
クリスマスイブ・・・・私は小さい頃、サンタクロースの存在を心から信じていて、父親に「サンタさんが来るから煙突掃除して!」とせがむ可愛い(?)子供でした。当時も今も、北海道の家屋には煙突付きのストーブがあり(いわゆるFF式とは違い、ストーブです)、冬の間に数回煙突掃除をする必要がありました。その頃のエネルギーは石炭で、煤が多く出るために煙突が早く汚れたのです。もちろん、今では灯油なので煙突掃除は必要ありません。掃除のために火を消して煙突を外すとたちまち部屋は寒くなりますが、子供の私は「これでサンタさんが部屋に来る!」とはしゃぎ廻った記憶があります。そしてサンタクロースを一目見ようと、眠い目をこすりながら遅くまで布団のなかでわくわくしていました・・・・昔はまだ豊かな時代ではなかったけれど、みんな明日のために一生懸命がんばっていました。もちろん、今も違った意味でとても厳しい時代ですが、今夜は童心に帰り、心穏やかに夢を見ながらサンタクロースがやって来るのを待ちたいものです。
Obanazawa
「山響とみんなで創る音楽会 in 尾花沢!」も満場のお客様とともに盛り上がって終了しました。山形の作曲家で、山響のためにたくさんの曲を書いて下さっている木島由美子さんの新編曲によるヴェルディの「アイーダ」凱旋行進曲では地元の中・高生たちの吹奏楽団とも共演でき、これまで共演ものでは専らスーザの「美中の美」でしたが、新たなレパートリーとして多くの学校で山響と共演できる可能性も拡がりました。シニアの皆さんによる合唱や児童合唱も素晴らしく、尾花沢出身のソプラノ歌手、大類雅子さんの素敵な独唱も演奏会に花を添えていました。これからも県内の市町村でこんな演奏会ができると良いですね!
Generosity
昨日審理が行われた中央労働委員会は、芝公園のすぐそばにあり、東京タワーが窓いっぱいに見えます。街はどこもかしこもクリスマス一色で、不況ムードを何とか盛り上げようとする雰囲気が伝わってきます。毎年思うのですが、日本人って、お宮参りや初詣で、結婚式は神前で行い、お盆やお彼岸にはお寺に行き、12月はクリスマスを祝い、除夜の鐘を聴き年を越す・・・クラシック音楽も本来、宗教と切り離して考える事はできないと思うのですが、そこに触れる事はほとんどありません。ほんとうに宗教に寛容(Generosity)な国民だと思います。でも、このように何でも受け入れて自分流に解釈してしまうところは私たち日本人の特徴なのかもしれませんね。
今日はこれから尾花沢市まで移動し、明日行われる「山響とみんなで創る音楽会」のリハーサルです。この演奏会は数年にわたって県内各地で続けられているもので、山響の演奏だけでなく地域の子供たちや合唱団との共演もあり、賑やかな演奏会です。このような演奏会を毎年小さな街で続けているのは全国広しといえども山響くらいです。そう、この演奏会は山響と地域の皆さんとで行うクリスマスパーティーのようなものです(まさに、Generosity!)ステージ後方に陣取った合唱団の子供たちがすぐ近くで演奏しているオーケストラの音圧に驚き、喜ぶ姿を見る事や、シニアの皆さんによる味わい深い合唱と共に演奏するのはとても楽しい事です。25、26日も新たな企画である「子育て応援コンサート」で子供たちと共演します。忙しかった一年の最後をこんな素敵なコンサートで終える事ができ、とても嬉しく思います。
Central Labor Relations Commission
Central Labor Relations Commission・・・中央労働委員会の事です。この機関は、労使間関係の調整をつかさどる、日本の中央省庁のひとつで、厚生労働省の外局になります。現在、音楽ユニオンではある団体での労使間の問題についてこの中央労働委員会に提訴しており、私は原告側を代表する者の一人として今日は審理の傍聴に来ています。近年、雇用のあり方が多様化している事が背景にあり、一般企業においても経営側による一方的な雇用関係の解消や労働条件の改悪に至るケースが多く、オーケストラの世界でもこれまでにいくつかの事件が起きました。今日の審理は一般的な裁判と同じく、証人に対する原告、被告双方の尋問が行われています。裁判員制度が日本でも始まり、法に対する一般的な認識もこれから深まってゆくのでしょうが、現実の裁判や審理はやはり大変シリアスな雰囲気で、これが労働争議でなく刑事や民事裁判で、もし自分が裁判員に指名されたらどうなるのだろうなどと考えてしまいます・・・・・。