リハーサルも2日目に入り、今日午前中は5日の本番当日、開演前のロビーで予定されている「ウェルカムコンサート」のリハーサルを行いました。今回は9名での金管アンサンブルで、この世界では良く知られたティールマン・スザート作曲の「スザート組曲」を演奏します。この曲は、中、高校生の吹奏楽などでよく演奏されますが、プロ奏者による演奏の機会はそれほど多くないので、当日ご来場されるかたは少し早めにお越しください!
今回は、昨日書いたようにナチュラルトランペットとモダントランペットを吹き分けます。モダントランペットは、ドイツ語圏で主に使われる「ロータリートランペット」と呼ばれるものを使用します。TVやコンサートでベルリンフィルやウィーンフィルなどの映像を見られた方は気付かれたと思いますが、普通の楽器を真横に傾けたような形をしています。また、管の通り道を変えるための機構が、ピストンと呼ばれる上下式ではなく、ロータリーという回転式のメカニズムであることと、吹込み管とベルのレイアウトが異なる事が大きな特徴です。音色は柔らかで他の楽器のブレンド性に優れています。かつてはドイツやオーストリアのオーケストラのみで使用されていましたが、われわれオーケストラの重要なレパートリーであるドイツ音楽に大変良く適合することから、今では世界中のオーケストラで使用されるようになりました。
写真の楽器は、ヤマハの新しいモデル、YTR-948FFMGSという楽器です。ヤマハでは1970年代初頭から、ウィーンフィルの依頼でロータリートランペットを始め、ホルン、トロンボーン、オーボエなどの製作をスタートさせ、長い間の研究の結果、古い楽器の復元だけでなく、それを凌ぐ音色と性能をもった楽器を開発するようになり、ドイツやオーストリアの製作者にも大きな影響を与えました。この楽器は最新のコンセプトに基づく設計で、従来のモデルの問題点を解消し、伝統的な音色と抜群の音程、操作性などを実現した画期的なモデルです。近いうちに国内での発売も始まるようですが、今回は実際のコンサートでのテストを行うため、特別に送られてきました。とても素晴らしい響きがします。本番が楽しみですね!