山形交響楽団第47回定期演奏会
1985年1月29日(火) 19:00 山形市民会館
指揮:村川千秋 ピアノ:弘中 孝
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2版
ブラームス:交響曲第4番
私にとってこの演奏会は、村川氏との最初の定期演奏会で、入団以降は音楽教室などではその指揮で演奏していましたが、定期は初めてで、村川氏も1983年4月27日の定期演奏会以降、一年以上ドイツに留学してしまったために定期会員の皆様にとっても久しぶりの村川/山響の組み合わせでした。
村川氏の最初の印象は、とにかく指揮が独特で、どのタイミングで音を出し始めれば良いのか分からずに一人飛び出したりして顰蹙を買ったことも時々あったように思います(山田一雄先生を思い出しました)また、渡部氏が指揮する時と比べてオーケストラが出すサウンドが全く違い、厚くうねるような弦セクションと色彩感あふれる木管セクションの響きは今も耳に残っています。特にラフマニノフの重厚さとブラームスの響きの透明感は、当時の村川氏が得意とした手技だったと言えるでしょう。
村川氏とはこれ以降、2001年に常任指揮者を退任されるまでたくさんの演奏会を行い、特に晩年のシベリウスチクルスでは彼の芸の集大成を見せてくれました。また、私がユニオンの代表を長く務めていることから、数えきれないぐらいの対話(世間話、会談、交渉、口論、喧嘩などすべて)を重ね、共に山響の発展をめざして力を尽くしてきた事は素晴らしい思い出です。来週、久しぶりに彼が戻ってくるのは大変意義深く、最後に客演されたのが2002年1月の山響創立30周年記念特別演奏会でしたが、それ以降現在までメンバーも大きく変わり、今の山響を彼が指揮したらどんな響きがするのか興味は尽きません。本当に楽しみですね!