いつの間にか10月も10日を過ぎました・・・10日はかつては「体育の日」と定められていて、これは1964年の東京オリンピックの開幕日が10月10日だったことを記念しての祝日でした。今から考えると夏季オリンピックとしてはずいぶんと遅い時期の開幕ですね。私は1964年は5歳でしたが、家のテレビ(白黒です)に映った自衛隊機が描く飛行機雲による五輪を覚えています。また、北海道北部の10月中旬はすでに晩秋で、ストーブを使っていました。石炭ストーブの前に飼い猫を抱っこして座り、テレビの向こう側の映像を不思議な思いで見入っていた事を思い出します・・・
さて、先週は岩手〜青森(八戸、三沢)を廻る演奏旅行でした。先週も首席トランペットの井上さんが文化庁公演のワークショップでお休みだったので、2番にエキストラを入れて私が首席の代理を務めました。先月と今月とで10ステージを1stとして演奏しましたが、数名の楽団員から好意的な評価をいただくことができ、安心したとともにいくばくかの嬉しさを感じました。今後も私が恒常的に1stを演奏する事はありませんが、通常の仕事の範囲だけでなく、どのような事態が訪れても即座に対応できるプロフェッショナルとしての高い能力を常に備えておく事の重要性をあらためて感じました。今週は久しぶりに山形県内での一週間です。どのような演奏になるか、楽しみです。
2日のモーツァルト定期は、若きアマデウスの才気あふれる交響曲と、鈴木 舞さんの瑞々しい演奏で多くの方々から好評をいただきました。首席トランペットの井上さんも元気に復帰し、素晴らしい演奏を聴かせてくれました。
今週は東北電力主催のスクールコンサートで、4日から8日まで岩手県、青森県を廻ります。明日は水沢市で公演予定でしたが、会場の学校でノロウィルスが発生し、コンサートが延期になってしまいました。明日は公演後に八戸市まで移動する予定でしたが、移動だけになってしまったので、楽団バスはのんびり移動するのでしょうね・・・私はいつも通り単独行動なので、ホテルに早く入り、少しトランペットを練習してから宿題の(締め切りを大幅に過ぎています・・・関係者の皆さんごめんなさい!)文書作成や事務仕事をしようと思っています。私の長い山響生活の中でもツアー中にコンサートがキャンセルされた事は初めてです。こんなこともあるんですね・・・ノロウィルスに感染された方々の一日も早い回復を心から願っています。
10月になり、さわやかな風と柔らかい光が街に漂います・・・私はこの頃が1番好きな季節です。
「アマデウスへの旅」と題した8年間にわたるモーツァルト演奏の大プロジェクトも、今年度を終えると旅の半分まできた事になります。始まった当初はあまりの旅程に戸惑いもありましたが、旅を続けるうちに幼い頃からヨーロッパ中を旅して廻ったアマデウスの気持ちが少しだけ解ってきたようにも思います。今回も若手ヴァイオリン奏者の鈴木 舞さんを旅の伴に、若き日のアマデウスのさまざまな感情が織りなす美しくも厳しい音楽が創られていきます・・・本番が楽しみですね・・・
Hiroshi Sato Offizielle Website