Bruckner〜Bartok Ⅱ

今日も時間いっぱいのリハーサルが、ブルックナーとバルトークの記した楽譜を出来立てのような生気あふれた音楽へと変えていき、明日の本番への期待が次第に高まっています。昨日、弦楽器の編成について述べましたが、全員が力いっぱい弾く響きは、息圧の高い金管セクションに十分対抗できるもので、明日、テルサでどのような響きが生まれるか大変興味があります。特に、この初稿での演奏は、最も演奏される機会の多い第3稿とは大きく異なるもので、当時「難解で理解しがたい」とウィーン・フィルハーモニーから演奏を拒絶された(演奏の拒絶はブルックナーの場合、頻発した)事が伺えます。この時代、シューマン亡き後のドイツ=オーストリアの本格的な作曲家として期待されながらも、さまざまな困難に立ち向かい、生涯にわたって自らの信じる道を歩み続けたブルックナーには、モーツァルトやベートーベンのような大天才とは違った普通の人間としての魅力があると私は思います。明日はこの交響曲を通じて「人間・ブルックナー」の姿を表現することができれば、と考えています。
(写真は若き日のブルックナーです)

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