今日の天気は、まさしく「梅雨」らしい天気で、しっとりとした空気と静かに降る雨は、日本の初夏らしい雰囲気を醸し出しています。私は梅雨のない北海道生まれなので、大学生になり東京での生活がスタートしてから初めて経験した梅雨は、慣れない一人暮らしの寂しさと相まって、憂鬱さ倍増でした・・。しかし、東京での生活にも慣れ、大学生活を楽しむ中でいつしかこの季節にも体が馴染み、新たな季節感を感じることができるようになりました。山形で過ごした時間はすでに25年以上になりますが、東京とは異なるきれいな空気と穏やかに流れる時間が、この季節をより美しいものにしていると思います。でも、昔の日本は東京でも今より情緒豊かな風景がたくさんあったに違いありません。なぜなら、この時期を謡った楽曲にはとても美しいものが多く、中でも中山晋平(1887〜1952)は「雨降り」「雨降りお月さん」「てるてる坊主」と3曲も作曲していて、日本の初夏を情感豊かに表現しています。梅雨が明ければ猛暑なのかも知れませんが、今は雨に濡れる紫陽花を見ながらさまざまな想いを巡らせたいものです。