A funeral service

昨日11時より、前橋市内の斎場で松下晃一さんの告別式がしめやかに執り行われました。前日の通夜からたくさんの方々がお別れを告げに訪れたようで、松下さんを失う事の大きさをあらためて感じます。昨日の関東地方はこの時期としては大変気温が高く、前橋も30度を超える暑さでしたが、空は初夏のさわやかな色合いに染まっていて、これから天に向かう松下さんをあたたかく迎えるかのようなきれいな空でした。

山響からはバストロンボーンの高橋さんと私が参列しましたが、高橋さんはいつも松下さんの右隣、私は斜め前とオーケストラの中で松下さんに一番近い席に座っている2人が参列できたことは偶然なのかも知れませんが不思議な縁を感じます。また、山響はトランペットとトロンボーン以外はリハーサルと本番のために楽団員のほとんどは葬儀に出られず、逝去の知らせを受けてすぐに前橋に向かった首席トランペットの井上さん、首席ホルンの八木さん、そしてホルンの関谷さんを含む私たちだけが松下さんを送る事ができたのも、まるで松下さんが金管の私たちを呼んだような気がしてなりません。

棺に眠る松下さんとお会いする事ができましたが、とても穏やかで目元は微笑んでいるかのようでした。白装束ではなく、黒タキシードに蝶ネクタイできちんと正装されていて、そのまま起き上がって「みんな、本番行くぞ!」と言わんばかりの雰囲気ですが、それが逆に悲しみを深めます・・・会場には数えきれないほどのお花が捧げられていて、それは天国へ旅立つ松下さんの花道のようにも見えました。また、松下さん愛用の燕尾服やたくさんの写真、そして山響でのレコーディングで演奏したブルックナーの第五番のテューバのパート譜とスコア、音楽監督として熱心に指導され、最後のお仕事となったモルトウインドアンサンブルの定期演奏会のプログラムと指揮棒も展示され、多くの方々が見入っていました。

告別式は音楽家の葬儀にふさわしく、くらしき作陽大学の学生、プロ奏者、モルトウインドアンサンブル、そして松下さんの友人によるモーツァルトのクラリネット協奏曲第二楽章(よく病室で聴いていたそうです)などの演奏に彩られ、それぞれの心のこもった演奏に松下さんの影響の大きさを感じる事ができました。

式の最後、出棺前にはモルトウインドアンサンブルの演奏が流れる中、別れを惜しみつつ全員で棺にお花を手向け、感謝の気持ちをこめて旅立ちを見送りました。

松下さん、今まで本当にありがとうございました。今はもう楽になったでしょうか・・・いつかみんなでまた演奏しましょうね。それまでゆっくり休んでのんびりしていて下さい。私が新しいiPhoneを買ったら真っ先にメールしますね。明日はイオン山形南店で金管五重奏の本番です。そちらに引っ越したばかりで忙しいでしょうが、ぜひ聴きにきて下さい。私たちもいつも松下さんと一緒ですよ!

「A funeral service」への4件のフィードバック

  1. 状況が目に浮かぶ様な記事をありがとうございます。勝手に告別式に参列出来た様な気分になりました。
    大変悲しく残念なことです。お病気のことは(私の専門外ですし)まったく存じませんでしたからまず驚きました。そして、「そういえば、チューバ奏者にしては細身だな、、、」と思ったことを思い出しました(家内の親類の渡辺功さんのような方がチューバ奏者らしい体型?)。
    偶然ですが、医学部で大変お世話になった元教授の方が、同じ5/19に亡くなられ、昨日5/22が告別式でした。
    生あるものは滅する運命にあるとはいえ、まだまだご活躍頂かなくてはならない方が逝ってしまわれるのには人生の無常を感じます。しかし、だからこそ今を精一杯生きて、音楽をすること、音楽を聴くことに一層の感謝の気持ちを持ちたいと思いました。
    合掌。。。

  2. Souffleさま
    いつもありがとうございます。告別式の写真をアップしました。(掲載を)迷ったのですが、告別式に参列したくとも叶わなかった方々がたくさんいらっしゃるでしょうから、やはりお伝えすべきと思い
    写真も掲載する事にしました。松下さんは最後まで強い意志で回復めざして戦っていました。周りを心配させないようにと、ときどきご自身の病状を冗談交じりに話してくれた事も幾度となく
    あり、そのたびに彼の優しさと強さを感じていました・・・Souffleさまのおっしゃる通り、残った私たちは一瞬を大切に生き、より美しい音楽を奏でなければと心から思います。

  3. 初めまして、群馬県に住むアマチュアのオーボエ吹きです。
    はるばる遠く前橋まで足をお運びいただき、松下君も喜んでいると思います。
    私は高校時代に吹奏楽部で松下君の1年先輩になります。

    群馬交響楽団でバストロを吹いている石原先生から入院の知らせを聞いたのは、5月はじめだだったと思います。
    病院も私の住んでいる市内だったので、こんなに早く逝ってしまうのが分かっていれば見舞いにも行くべきだったなと反省ばかりです。
    仕事で通夜も告別式にも参列できませんでしたが、告別式の様子を載せていただいて様子が分かりました。

    私は吹奏楽とオケの一般団体に所属していますので、松下君には何度か指揮を振っていただいたり指導をしていただきました。

    6月には高校のブラスのOB会がありますので、みんなで松下君を偲びたいと思います。
    ありがとうございました。

  4. かずちゃん さま
    はじめまして、コメントありがとうございます。たくさんの方々がそれぞれにコメントしていただき、あらためて松下さんが多くの方に親しまれていた事を感じます。
    テューバはとかく「縁の下の力持ち」と言われますが、彼の演奏は時に「光」や「風」であり、その素晴らしい音楽性は山響に欠かせないものでした。これから私たちにできる事は、いつも松下さんを思い出し、今も共にあると想い続けることなのでしょうね・・・私たちもいつか共に思い出を語りあえると良いですね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。