昨日、今日と猛暑の体育館でのスクールコンサートを終え、講師として指導にあたっている山形県立北高校音楽科の一学期実技試験の審査のため、車を飛ばして(普通に、ですよ)山形に戻ってきました。以前にここでも書いたと思いますが、山形北高音楽科は1965年に公立高校の音楽科としては関東以北で最初に設置された歴史ある科です。北高自体は1928年に山形第2高等女学校としての創立時から女子高としての歴史を歩んできたため、現在も女子高ですが、この音楽科だけは創立時より共学となっていて、優秀な人材を多く輩出しています。授業はカリキュラムの3割強が音楽関連の科目で、専攻の実技や副科ピアノ、ソルフェージュと呼ばれる音感学習や音楽理論、合奏と重奏などもすべて授業として行われます。例えばトランペット専攻で入学すると(入試から実技試験があります)毎週ごとの個人レッスン、ピアノと声楽のレッスン、ソルフェージュ、音楽理論、合唱、合奏が国語や数学といった一般教育科目の授業と並行して時間割に設定され、それぞれの楽器の専門家からレッスンを受ける事ができます。そして学期ごとの試験がすべての科目で行なわれ、自らが専攻する楽器の実技試験が最も重要な試験となります。昨日は木管楽器、今日は弦楽器、金管楽器、打楽器の専攻生が練習の成果を披露しましたが、それぞれ個性あふれる良い演奏でした。感性とテクニックを磨くためには人間としての成長、特に心の成長が重要ですが、試験を重ねるたびに内面の変化を見せる生徒たちの演奏を聴く事は、教育に携わる私たちにとっても楽しみであると同時に、自らもさらに良い演奏ができるよう、がんばり続けなければと気持ちを新たにする時間でもあると思います。