午前中のリハーサルを終え、仙台市青年文化センターで開催されている仙台フィルユニオンの第26回定期総会に来賓としてお邪魔しています。震災以来仙台フィルはオーケストラとしての活動を停止せざるを得ない状況に追い込まれてしまいましたが、被災地への室内楽コンサートを200回近くも続けていて、被災者の皆さんへ「心の贈り物」を届けています。定期演奏会は夏から再開しましたが、音楽による「絆」を深める活動には全国を始め、国際的にも深い敬意と評価が高まっています。今日の総会では今後のオーケストラの活動や、震災の影響をどのように克服するかなど、活発な議論が展開されています。仙台フィルは20年以上前から市民と共に歩む活動を展開し、ファン層の拡大やオーケストラへの理解を深めることに大きな努力を続けていて、これからもさらにその活動が大きなものになり、復興への力となってくれると確信しています。
震災による犠牲は、本当に大きなものでしたが、復興に向かう歩みの中で、音楽の力の素晴らしさを、改めて教えていただいたように思います。
私が住む盛岡でも、コンサートに被災地の方々をお招きして聴いていただくことも多いのですが、そちらの音楽愛好者の団体による演奏や、盛岡の団体との交流演奏などで、被災した方々の演奏を聴かせていただく機会もたくさんあります。
辛い経験をした方々が、真摯に、あるいは笑顔で演奏されるお姿を拝見しながらその音楽を聴かせていただくうちに、心の中からとこみ上げてくるものを抑えきれずに涙が出てくることも…。
そのようなときに「音楽による絆」のあたたかさが、心の深いところで感じられます。
どのような形―聴く立場、演奏する立場に関わらず―であっても、音楽を通して被災した方々とひとつの時間を「共有」することを大切にしていくのが、音楽を愛する私たちができる復興支援なのかな…と思います。
昨日の大船渡公演のご様子と、今日の仙台フィルの取り組みについての記事に、深い感銘を受けました。ありがとうございます。