on tuor “Amadeus”

今日から山形テルサに会場を移してリハーサルです。このプロジェクトは全部の演奏会を録音することになっているので、今回もオクタヴィアレコードのディレクターである松田さんが機材をホールに持ち込んで早くからセッティングしています。松田さんの鋭い耳は、楽員をして「影の音楽監督」と言わしめるほどの凄い感覚で、ヨーロッパを中心にさまざまなレコーディングを行ったその優れた手腕は楽員からも絶大な信頼を寄せられています。

私は前にも書いたように、今回は出番がない「降り番」なので、ホールの客席でリハーサルを聴きながら、オーケストラの響きに注意し、個々のコンディションや演奏の仕上がり具合を吟味しています。といっても、そんなシビアなものではなく、普段は聴けない同僚たちの素晴らしい音楽を楽しむと言った方が良いですよね。14番、18番のシンフォニーも素晴らしい演奏ですが、今回の白眉はなんと言っても舘野ヤンネさんの独奏によるヴァイオリン協奏曲第三番です。甘く優しい彼独特の響きがホールの空気とオーケストラの雰囲気を暖かなものに変えてゆく様は、これぞモーツァルト演奏の理想と言っても過言ではありません。明日の本番が楽しみです!