Tsuruoka

鶴岡音楽祭2012・・・素晴らしい二人のソリストと地元鶴岡の澄んだ声を持つ合唱、そして山響のサウンドが今年もこの音楽祭を華やかに彩りました。ここ鶴岡市民文化会館では山響の庄内定期が毎年行われ、長年にわたって多くの聴衆の方々に音楽をお届けしてきましたが、ついに来年の秋に休館となり、三年かけて新築されることになりました。新しいホールは音楽専用ホールで席数は1200席と言われており、完成すれば酒田市の希望ホール、余目の響ホールとならび、庄内地方に素晴らしいホールがまたひとつ加わることになります。また、南陽市でも老朽化した南陽市民会館の全面改築が決定したようで、こちらも高畠、米沢の素晴らしいホールと共に県南地方の文化発展に大きく寄与することでしょう。さて、山形市は・・・山形テルサや文翔館はすでに素晴らしいホールとして認知されて久しいですが、県都にふさわしい大ホールは? 山形県民会館はもう少しで50年になり、2005年に補修工事が行われたものの、音響や設備の古さはすでに限界を超えています。過去には改築のプランもありましたが、現在は財政的事情で凍結されたままになっています。これをどうするのかは音楽家だけの要望でなく、県民が文化をどのように享受してゆくかが広く議論されなければなりませんし、そのための情報公開も必要です。いわゆる「ハコモノ」といわれるヴィジョンなき建築ではなく、山形県にはホールを生かすソフトウェアがたくさんあり、なかでも山響は最強の存在だと思います。新たな文化施設建設にむけた環境作りを行うための議論を再開する状況がようやく生まれつつある、と感じているのは私だけではないでしょう