今日は宮城県七ヶ浜国際村ホールで本番です。長年のオケ生活でもこの街に来たのは今回が初めてです。先ほどゲネプロを終え、車で外を散策してきましたが、高台にあるホールは無事なのですが、三方を海に囲まれた海岸沿いはやはり大変な事になっていました・・・道路も寸断されたままですし、かつて部屋からきれいな太平洋を望む事が出来たであろう住宅地には、土台だけが残る悲しい光景が広がっていました。「復興」と言葉でいうのは簡単ですが、まだその段階にも達していないことがよくわかります。
無事だったコンビニで買い物をしてホールに戻り、先ほど見た海沿いの街を思いながら再び集中して舞台に上がり、全力で演奏してきました。1曲目の「二ムロッド」の静かな響きが会場に伝わると、涙を拭いながら聴いている方もあり、深く静かに音楽が広がります。チェロのソリスト、水野由紀さんが奏でる3曲の小品は、どれもピュアで美しく、それが逆に切なさを表します・・・チャイコフスキーの5番はおそらく最近の演奏の中でもベストフォームな出来で、第2楽章のホルンソロ、八木さんの演奏はまさしく「心の歌」でした。また、弦楽器奏者の皆さんが、弓の端から端まで使い全力で楽器を響かせる姿は、とても感動的でしたし、同僚としてそのミュージシャンシップに心から尊敬の念を抱きました。
いつかまた、必ず皆さんに音楽を届けに来ます。へこんでも泣いても、どうか毎日生き続けていて下さい・・・