1987

何のことだと思うでしょう・・・明日からリハーサルが始まるのは、山形県民会館開館50周年を記念する演奏会(17日)です。演奏するのは25年前に開館25周年記念として鶴岡市出身の作曲家、佐藤敏直さんに委嘱した「交響賛歌 やまがた」です。序奏と四季それぞれが楽章になっていて、混声合唱、児童合唱、バリトン独唱と尺八、そしてほら貝も加わり演奏時間も1時間半近くなる大曲です。1987年の初演は大成功を収め、山形放送で収録、放送もされました。また、1989年8月には東京公演も行われ、サントリーホールを埋め尽くした満員の聴衆から絶賛された(本当です)という、今からでは考えられない、まさに「事件」でした。その後は1992年に行われた「べにばな国体」まで毎年県内各地で演奏されました。それ以降は大編成であることや合唱の難易度が高いこともあって、演奏回数は減っていきますが、1989年2月に鶴岡市で演奏されたのを最後に、山響では演奏していませんでした。今回はスコアとパート譜をコンピューターで新たに作り直し、作品を後世にきちんとした形で残す準備もできました。

作曲者の佐藤敏直さんは1936年に鶴岡市で生まれ、慶應義塾大学で学びながら作曲を清瀬保二氏に師事し、多くの作品を発表します。日本の音楽的素材を西洋の様式に上手く当てはめ、独自の音楽観を感じさせる大変素晴らしい作曲家です。残念ながら2002年、66歳の若さで病に倒れ亡くなってしまいますが、今回の演奏をきっと喜んで聴いてくれていると思います。私にとっても大変懐かしいレパートリーで、楽しみにしていた演奏会です。明日からのリハーサルが楽しみです!