Bruckner(Recording Session)

昨日から2日間かけて行われたブルックナー第3番のレコーディングも、無事終了しました。予想通り困難な道のりでしたが、全員集中してがんばったと思います。レコーディングは、ライブ録音とは違い、映画を撮影するように細かくカットを収録していきます。全体の流れを損なう危険性もありますが、飯森氏の指揮は実に確実で、流暢な音楽が進みます。セッション録音の事を「細切れ」と批判する向きもありますが、演劇と映画の違いを考えていただければ、全く違う創作方法である事がお解りいただけると思います。また、すでに山響のサイトなどでも紹介されていますが、私たちはオクタヴィアレコードの協力のもと、「YSO-Live」という自主レーベルを立ち上げ、(これは、日本のオーケストラとしては初めての事です)質の高いCDを既に6枚リリースしています。セッション録音には多額の経費がかかるため、ライブ録音をリリースするオーケストラもありますが、レコーディングビジネスでは後発の山響は、スポンサーの協力の元、あえてセッション録音を行い、出来るだけ質の高い演奏を収録するよう努力を続けています。

今回ハードディスクに収録した100近くのテイクは、しばらくの時を経て、国内でも有数のディレクターであるオクタヴィアレコードの松田善彦氏の手によって再構築され、新たな命を吹き込まれたかのように1枚のディスクとしてリリースされます。飯森&山響の精緻なブルックナーを、CDでも是非お楽しみ下さい。

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