昨日、今日と古都京都市で、MUJオーケストラ協議会の第31回定期総会が開催されました。全国のオーケストラ・ユニオン20団体からなるオーケストラ協議会は、2年に一度オーケストラの所在地を巡回するように定期総会を開催しています。今回は大阪府知事による財政削減案の中に大阪センチュリー交響楽団の存廃議論があったり、京都市の直営であった京都市交響楽団の財団法人への移管(少し難しいですが、楽団の運営が市の直営から、外郭団体である財団法人へ移ったということです)など、この地域におけるオーケストラへを取り巻く環境が大きく変化したこともあり、全国のオーケストラ・ユニオンがさまざまな議論を行い、問題解決に向けたヴィジョンを構築する場として、京都を選んだという訳です。
2日間の議事は、文化行政や資金調達、著作権や雇用制度など多岐にわたるもので、全国から参加した50名の代表はオーケストラの将来について真剣に論じていました。私はこの協議会の委員長である議長を2003年から務めていて、12名の役員と共に業界全体の向上と、オーケストラと文化を守る仕事をしています。経済や政治の状況が悪くなると、最初に切る捨てられるのは文化、福祉、医療、教育です。京都の歴史的遺産の保護にコストを要するように、同じく歴史的遺産である大作曲家の作品を再現するオーケストラにも保護や発展のためのコストが必要なのです。文化に携わる者として、それを守り次の時代にきちんと継承する事も演奏と同じくらいに大切なことだと思います。
写真は総会の模様と、終了後に要望書を提出に訪れた京都市役所です。山形の文翔館のようなクラシカルな雰囲気が素敵ですね!